国連人口基金は、本日行われた、東ティモール民主共和国の191番目の国連加盟国としての承認を心より歓迎致します。国連人口基金は東ティモール共和国政府ならびに国民に対し、「国連ファミリー」の一員となられたことを、お祝い申し上げます。
東ティモールの国連加盟をお祝いするにあたり、東ティモールの経済的・社会的開発に関する我々自身の責任について再確認したいと思います。新しい国家に対する国連人口基金の継続的支援は、長期的視野にたって、リプロダクティブ・ヘルス・サービスの強化、人口および保健医療のデータベース開発・構築、ジェンダー関連の暴力撲滅に取り組むものであります。
東ティモールは、妊産婦死亡率や女性に対する暴力の割合が高く、国の施設が未整備だという問題を抱えています。出産時に専門助産婦による介助を受けているケースは17%ほどにとどまり、助産婦の数も国全体で約200名と推計されています。緊急産科医療へのアクセスは非常に限られており、診療活動を行っている産婦人科医は、国全体で5人(うち3人は国連人口基金支援による)しかおりません。
東ティモールにおける国連人口基金の活動は、1999年9月の危機直後、緊急リプロダクティブ・ヘルス・キットの配給から始まりました。政府その他のパートナーとともに、出産時に専門の介助を得られるような態勢を整え、緊急産科医療へのアクセスを提供し、母子の健康を守るために家族計画を促進してきました。
国連人口基金は今後、助産婦に訓練を施し、必要な器具・備品を供給するだけでなく、助産婦ができるだけ多くの出産に立ち会えるように派遣・移動手段を提供するプログラムに着手します。また、分娩間近の女性が助産婦のすぐ近くで待機できるよう、待合ホームを設けることについても試行中です。
家庭内暴力に関しては、国連人口基金は多様な利害関係者の訓練を促進してきました。今後は家庭内暴力関連の法整備を支援するとともに、幅広いパートナーを取り込んだプログラムを策定し、ジェンダーに根ざす家庭内暴力が撲滅されるよう、男性パートナー教育も行っていきたいと思っています。
国連人口基金は、東ティモール政府による初の国勢調査の実施および結果分析・公表を、心から支援したいと思います。この地域で前回1990年に行われた調査後にかなりの人口変動があったことなどから、今回の国勢調査の実施は、様々な人口統計関連、社会関連、経済関連のデータに対する緊急のニーズを満たすためにも、政府の能力を高めるものとなるでしょう。国連人口基金職員一同とともに、国連加盟国となった東ティモールの政府および国民と、今後も緊密な活動が続けられていくことを期待しています。