人道支援のニーズが高まる中、日本政府は、女性と少女に必要なサービスを提供し、最も弱い立場にある人々の命を守るために、補正予算からUNFPAに過去最高の資金を拠出しました。 UNFPAは総額2,200万米ドルを超えるこの資金を、紛争や危機に直面している世界19か国で活用します。
2023 年、世界では現在進行中の複数の危機が深刻化し、何百万人もの人々が強制的に避難を余儀なくされ、暴力、食糧不安、病気の蔓延の脅威にさらされています。UNFPA事務局長のナタリア・カネムは、「危機が起きたとき、⼥性と少⼥は最も⾼い代償を払う⽴場に置かれます」と述べました。 UNFPAの「人道アピール2024」では、紛争や災害の悲惨な被害に直面せざるをえない女性と少女の間で高まるニーズに対応するため、12億ドルの拠出を求めています。
日本政府からの新たな資金援助により、UNFPAはさまざまな緊急状況において女性と少女の健康と保護のニーズに応えるための活動を実施します。この取り組みには、ガザとヨルダン川⻄岸における安全な出産の確保、イエメンやウガンダにおけるリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)と保護の緊急サービスの提供などが含まれます。また、ケニアとスリランカで気候変動に対するレジリエンスを強化し、ソマリアで紛争の被害を受けている思春期の少女たちの緊急のニーズに応えています。さらに、シリアとスーダンでの助産サービスの改善も支援し、戦⽕に⾒舞われたウクライナで、⽣命を救うサービスへの持続的なアクセスにも寄与します。
上記の他にも、アフガニスタン、チャド、エジプト、イラク、ヨルダン、レバノン、モルドバ、南スーダン、タンザニア、トルコの人道危機状況において、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)を優先するために、日本政府からの財政支援が活用されます。
2023 年、日本の支援は緊急状況の被害を受けた女性と少女の生活に大きな変化をもたらすために貢献しました。
エチオピアでは、日本政府が資金提供したUNFPAのプロジェクトにより、熟練した医療従事者の⽴ち会いの下での出産や緊急産科・新生児ケアに対するニーズの高まりに応え、セチェレムさんのような女性が安全で健康的な妊娠・出産をするために必要なケアを受けられました。また、いくつかの地元の保健医療センターに救急車、物資、設備も提供されました。
コンゴ民主共和国では、紛争の被害を受けた北キブ州のルサヨキャンプに避難している女性と少女のリプロダクティブ・ヘルスのニーズに応えるため、日本政府の支援により2023年3月に移動診療所(モバイル・クリニック)が設立されました。訓練を受けた助産師3人を含むスタッフが、毎日平均3人の妊産婦を治療しました。その中には、必要なケアを受けることができた妊娠7か月のタンティーンさんも含まれます。
アフガニスタンでは、日本政府の支援を受けてUNFPAはヘルマンド州に29 か所のファミリー・ヘルス・ハウスを設立し、生殖、母親、新生児、小児および青少年の医療を提供する助産師を訓練しました。 2023 年には、診療所はヘルマンド州の 12 地区の村落に住む38,000 人以上にサービスを提供しました。
ウクライナでは、日本政府からの資金提供により、女性が質の高いリプロダクティブ・ヘルスケアを確実に受けられるようにするため、戦時中のウクライナ全土の93の産科病院に70トンの重要な医薬品と医療物資を調達することができました。この資金により、リプロダクティブ・ヘルス、ジェンダーに基づく暴力の予防と対応のサービスなど、質の高い救命サービスへの継続的なアクセスを確実に提供できました。
スリランカのキリノッチでは、UNFPAとそのパートナーであるスリランカ家族計画協会が、日本政府の支援を受けて、新しいサービスセンターを開設しました。地域住民はセンターが支援する移動診療所を通じてでもサービスにアクセスできるようになり、リスクの高いコミュニティの女性と少女の、質の高いリプロダクティブ・ヘルスサービスへのアクセスが強化されます。
これらは、UNFPAが日本の支援を受けて、世界中の女性と少女のためにどのように貢献してきたかを示すほんの一例にすぎません。柔軟で予測可能な人道資金の必要性が高まる中、UNFPAは日本のようなパートナーに支えられ、支援を動員し、最も弱い立場にある人々を含む何百万もの人々の命を守る活動を実施しています。