国連人口基金(UNFPA)が行なっているスマトラ沖地震被災者の救援活動に対し、日本政府から550万米ドル、オランダ政府から100万米ドル、計 650万米ドルの資金提供が今週決定された。国連人口基金は、被災者の中でも特に女性と若者に対する保健・医療援助および心のケアへの救援活動を展開している。
被災地での救援活動として、国連人口基金では300万米ドルの緊急援助資金を確保した。加えて、先週発表された緊急共同アピールの中で、被害が最も大きかったインドネシア、スリランカ、モルディブの三カ国における女性と若者の被災者を対象とした救援・復興支援のため、約2800万米ドルの資金提供を呼びかけている。国連人口基金では、これまでに自宅分娩に必要な医薬品、医療器具のほか、避妊薬(具)などリプロダクティブ・ヘルス関連の医療物資を被災地で配布したほか、紛争地域や被災地では女性に対する暴力・暴行そして性的搾取などが多発する傾向があるため、こうした問題に対する監視活動にも努めている。そのほかにも被災国政府や現地NGOなど関係各機関と連携して、被災者の心のケア、カウンセリングを行い、被災者の社会復帰を目指し活動している。トラヤ・オベイド国連人口基金事務局長は、「津波で夫を失い、これから残った家族をたった一人で支えていかざるを得ない多くの女性にとって、こうしたカウンセリングは非常に重要なのです」と述べている。
資金提供の発表を受け、オベイド事務局長は、「こうした惜しみない援助があるおかげで被災者の中でも見過ごされることの多い女性や若者のケアを適切に行なうことが可能になります。日本政府およびオランダ政府が継続的に国連人口基金の活動を支援していただいていることはもちろん、今回のような緊急時に迅速な反応をしていただいたことに大変感謝しております。被災地に暮らす女性および思春期の若者や子どもの健康・衛生・安全そして心のケアを中心に活動を進めてまいります」と声明を発表した。被災地ではおよそ15万人の妊婦がいるとされ、その内5万人が今後3ヶ月以内に出産を迎えると見られているが、保健・医療施設の多くが被災し、必要な医療器具や医薬品もなく、衛生的で安全な分娩・出産が非常に難しい状況になっている。
国連人口基金では、インド洋で発生した地震と津波による被災国すべてに対し援助活動を行なっています。詳しくは本部ホームページ(www.unfpa.org)をご覧ください。