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戦争影響下の国々における性的暴力へのゼロ・トレランス(不寛容)を ―国際シンポジウム参加者らが呼びかける

戦争影響下の国々における性的暴力へのゼロ・トレランス(不寛容)を ―国際シンポジウム参加者らが呼びかける

プレスリリース

戦争影響下の国々における性的暴力へのゼロ・トレランス(不寛容)を ―国際シンポジウム参加者らが呼びかける

calendar_today 23 6月 2006

30カ国以上もの国の代表団が、紛争中・後地域における性的暴力の防止と対応への緊急アクションを呼びかけた。

「紛争地域内外の性的暴力に関する国際シンポジウム」の最終日、各国政府、欧州委員会(EC)、市民社会、国連からの代表らが緊急アクションをまとめた。立案された文書によると、紛争の被害が出ている国々において、人道支援、平和構築と開発を推し進める際には、政府、国際機関、市民社会は、性的暴力の問題を最優先にすべきである、としている。

合意の内容は、「性に基づく暴力を絶対に許してはいけない。また紛争の被害者である女性、男性、子供の安全と福祉を守るべき政府や他機関の問題意識が欠如していることも絶対に許してはいけない」というものである。合意には他にも20項目の実行すべきアクションが含まれており、そこでは、懲罰免除の廃止から、国家行動計画の策定まで挙げられている。

3日間のシンポジウムは、国連人口基金(UNFPA) が主催、欧州委員会(EC)とベルギー政府が後援。

国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイドはこう語る。「私達はこの問題に希望や情熱、そして思いやりをもって取り組まなければいけません」、「私達が徹底的にこの問題について議論を重ねたところで、もし、政府首脳陣がこの問題に取り組む姿勢を見せなかったら解決に向かえないのです。政府は、性的暴力に対する処置を優先するという公約を果たさなければなりません」。

シンポジウムでは、紛争影響下にある14カ国の代表から、性的そしてジェンダーに基づく暴力を明記した国家行動計画が発表された。ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルンジ、中央アフリカ共和国、コロンビア、ハイチ、インドネシア、リベリア、パレスチナ占領地域、ルワンダ、シエラレオネ、スリランカ、スーダン、ウガンダの代表らが、性的暴力に対抗してきた自らの経験を語り、復旧や復興に取り組む生存者とその家族とコミュニティーとその影響から守ってきた成果について報告した。さらに、こういった犯罪を撲滅するために国際的な資金支援機関及び人道支援機関に継続支援を要請した。

「女性に対する暴力への認識を高めるということも必要ですが、今後の課題はそれだけではありません。全ての関係者が、ジェンダーに基づく暴力が経済成長を妨げ、公衆衛生上の問題を引き起こし、そして基本的人権を侵害しているということを認識して長期的に取り組んでいくことが必要なのです」閉会式で、アルマンド・ドゥ・デッカー(Armand De Decker) ベルギー開発協力担当大臣がこう述べた。

緊急アクションは、性に基づく暴力への取り組みには一貫した政治的行動がなされておらず、資金供給も不安定であるため、問題解決のための努力も成果もなかなか上がっていないと指摘。そうした状況下では、社会的弱者のニーズに十分に応えられないとしている。シンポジウムの参加者らは、健康、教育、法律、心理的社会的、そして、安全にかかわる様々なニーズに応えるためには、より長期的かつ包括的なアプローチが必要であるとした。

女性、若者、そして難民や国内避難民といった人々は被害を受けやすいので、性的暴力やジェンダーに基づく暴力の問題に関する国家計画の中では十分に配慮される必要がある。また、HIV/エイズ予防や治療、ケアなど、性と生殖に関する健康のための戦略も国家計画の中に入れられるべきである。国家計画の中にジェンダーに基づく暴力が明記されているか否かは、健全な国家統治の一つの指標と考えられるべきである。

「性的暴力は容認できないものであり、今すぐなくさなければなりません」と、リーヴェ・フランセン欧州委員会人間社会開発部長は言う。「我々のため、次世代のためにもジェンダーに基づく暴力を止めなければなりません」。

国家代表の多くは、「シンポジウムで世界の同僚と教訓を分かち合えたことは大きな財産であり、学んだことを帰国後に生かしたい」と述べた。

「この国が直面している問題は万国共通のものであると分りました。同僚が同じ問題に対して奮闘しているということを知り、とても勇気づけられました」とキリスト教こども基金(Christian Children's Fund)のジュディス・ミレンベ氏(Judith Mirembe)は語る。同氏は、現在ウガンダ北部でジェンダーに基づく暴力家庭内暴力に関して活動を続けている。

一方、コロンビア国防省から来たアドミラル・ハイメ・パーラ氏(Admiral Jaime Parra)は以下のように語った。「この問題はすべての人に関わる問題です。男性、女性といった性別に関係ありません」。「軍人の一人として、私はすべての人に影響を与えるこの問題に終止符を打ちたいと考えています。我々が積極的に活動を行い、人々の間で人間の尊厳の重要性に対して深い理解が得られれば、暴力や権力濫用を防げるはずです」。