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国連人口基金(UNFPA)事務局長トラヤ・A・オベイドは、アフガニスタンの女性の健康向上への国際的支援強化を訴える中で、「多くの女性たちが生命を産み出すために死亡する国に進展はありません」と断言した。

今週火曜日に行われた事務局長とハミド・カルザイアフガニスタン大統領との会談において、母親の健康が重要な議題として話し合われた。大統領は、アフガニスタンの妊産婦死亡率が受け入れがたいほど高く、その危機的状況を救うため国連人口基金が支援を行っていることに対し、感謝の意を示した。同国では出産約60件につき1人の女性が死亡しており、地域によってはその4倍にものぼる。

カルザイ大統領は、2008年に予定されているアフガニスタン初の総合的な国勢調査を国連人口基金が支援することに対し、感謝の意を表明した。国連人口基金は、国の計画と再建に不可欠なデータを収集するために、同国のスタッフを訓練し、また技術的支援の提供や資金調達などを行っている。

4日間のアフガニスタン訪問の3日目にあたる今朝、国連事務次長も兼務するオベイドは、国連人口基金が支援した産科ろう孔(フィスチュラ)治療を行うマラライ(Malalai)病院の手術施設の落成式に、サイード・モハメッド・アミン・ファーテミー(Sayed Mohammed Amin Fatemi)保健相とともに参加した。閉塞性分娩の際適切な医療処置を受けられず悲惨な障害に至るケースはアフガニスタン全土に広がっているにもかかわらず、これまでは治療を受けることすら出来なかった。産科ろう孔も妊産婦死亡もその原因は同じである。つまり、専門技能者の立会いや緊急産科ケアを受けられない出産をあまりにも頻繁に、また若い頃から行うためである。アフガニスタンでは、5年前よりは医療ケアを広く利用できるようになっているものの、女性の健康サービス提供者が危機的に不足している。国連人口基金は、パートナー団体とともに助産士訓練を支援し、3つの遠隔地域にある8つの産科病院を支援している。

事務局長は、月曜日の記者会見で「出産間隔をあけることで、母親たちはより健康になり、子どもの健康により気を配ることが出来るようになります。また、母親が出産によって死に至ることがなくなるのです」と述べ、アフガニスタンのようなイスラム社会でより広く家族計画が受け入れられるよう、家族計画の利点を強調した。国連人口基金は、確実に物資供給が行われるよう物流システムを確立するなど、同国保健省の家族計画促進を支援している。

事務局長は、フソン・バーノル・ガザンファー(Husun Banor Ghazanfar)女性省大臣やその他参加者とともに、女性の権利についての午後の会議に参加した。その中で、男性のコミュニティへの参加を促したり、警察官への教育、被害者への支援などにより、女性に対する暴力への取り組みを強化することを求めた。