5月5日は「国際助産師の日」である。この日、国際助産師連盟(ICM)と国連人口基金(UNFPA)は世界の人々に向け、助産師支援の必要性を訴えた。世界的に、また特に開発途上国において緊急に助産師支援が行われれば、2015年までに500万人の妊産婦の命を救い、8,000万の妊娠・出産に関連する疾病を予防することができると考えられている。
世界では、毎年52万9,000人の妊産婦死亡と、800万の妊娠・出産時の疾病罹患が起こっていると推計されるが、助産師の存在はこれらの悲劇の予防に死活的な重みを持っている。マレーシア、スリランカ、チュニジアといったさまざまな国で、助産師の募集・訓練・保持に対する投資は、緊急産科ケア体制の補強とあいまって大きな成果を上げ、妊産婦死亡率を低下させてきた。助産師に対するさらなる投資は、より多くの-何百万人の命と健康を救うことになるのだ。
国連人口基金とICMは、妊産婦の健康の改善・幼児死亡率の削減といった、国際公約となっているミレニアム開発目標を達成するため、助産婦の不足に対する世界の迅速な対応を呼びかけた。世界保健機関(WHO)の推計によれば、妊産婦の死亡と疾病を抑制するためには、新たに少なくとも70万人の助産師が必要とされている。
「教育、訓練、各地域への均等な配分を通じて、助産師不足の地域の問題に取り組むことは、『妊産婦の健康の改善』というミレニアム開発目標の達成に向けた大きな力となります。」と国連人口基金事務局長トラヤ・オベイドは強調する。
「専門家としての助産師という職業は、より安全な出産のための大切な役割を担っています。全ての女性が、望むならば助産師の助けを得られるようにしなければなりません。助産師はコミュニティと医療施設との橋渡し役であり、保健医療システムの"産前医療"、"乳幼児ケア"といった枠組みを超えて活動することができます。このため、妊娠・出産というサイクルのなかで継続的なケアを提供するために、非常に重要な役割を持つのです」とICM会長のKathy Herschderfer氏は述べている。
国連人口基金とICMは、世界各国で助産師の能力強化を行い、妊産婦や新生児が死亡したり障害を負ったりする事例を減少させるため、協力して活動している。協働分野には、助産師の活動の専門性を高め、その意義の大きさに対する社会的関心を喚起すること、各国の助産術のレベルを引き上げること、さらにコミュニティに基盤を置く助産師活動の規模拡大のために各国を支援することなどが含まれている。