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全ての女性に対する良い授乳方法の支援を目的とする5つの優先活動の推進、特に、HIV陽性の母親に対する彼女らと子供たちの最も良い選択のための支援。

ナイロビ―HIV/エイズを考慮した授乳方法に関する合意が達成され、4つの国連機関は、政府に対して、子どもの命を救い健康的な成長を支援するための5つの優先的な分野での活動を直ちに拡大することを要請した。

国連児童基金(UNICEF)、世界保健機関(WHO)、国連人口基金(UNFPA)、国連エイズ合同計画(UNAIDS)と他5つの機関は、乳幼児死亡率の低下とHIV/エイズ感染を予防するための5段階枠組みを推進すると同時に、一般の人々に対する授乳のサポートを強化し、健康に関するその他の目標の達成を促進している。この取り組みは国連及び授乳の専門家に広く支持されているもので、特にHIV/エイズが蔓延している地域において、乳幼児の食糧供給プログラムを拡大するため政府を支援するものである。

HIVと幼児食糧供給の枠組みは、HIV感染予防を拡大すると共に、全ての幼児や子供に適切な授乳方法が実施されるような環境を作り出し持続させる助けとなるであろう。」とキャロル・ベラミーUNICEF事務局長は語る。「HIVが広がる文脈の中で、どのように子どもを出来る限り健康な状態で守り続けるかということが明示されている。私たちはそれを実行していかなければならない。」

5段階枠組みは、授乳によるHIV感染の削減と、HIV陰性・HIV状態が不明の母親による質の低い授乳方法が生み出す乳幼児死亡の低下を目的としている。また、幼児のHIV感染リスクを減らし、他の感染病による疾病や死亡のリスクも最小限におさえる取り組みを要求している。

エイズは子供の生命と福祉を脅かすものである。」ピーター・ピオットUNAIDS事務局長は言う。「質の高い授乳方法は、子供の死亡率を減らすための情報を得た上での選択ができるよう、HIV陽性陰性に関わらず、女性を支援するために広く推進されるべきである。」

枠組みは5つの最重要分野における国家活動の概要を述べている。

HIVを含んだ包括的な幼児と子供達の授乳政策の開発、見直し(必要に応じて)。
•人工ミルク販売促進マーケティングコードや、関連の世界保健総会決議の実施。
HIVを例外的に難しい境遇であると認識しつつ、一般的に乳幼児や幼児に対する適切な授乳方法を推進・支援するための取り組みの強化。
HIV感染者が自らにとって、また、自らの子供にとって最も適切な授乳方法を選択し、その選択を実施できるための充分な支援の提供。
•活動調査、学習、全てのレベルにおけるモニタリングや評価なども含め、HIVと幼児授乳における研究の支援および研究結果の発表。

枠組みは、HIV/エイズの文脈における幼児授乳を明確化するために立案された。これは政策立案者、プログラムマネージャー、地域諮問機関、公共保健機関、国連スタッフ、専門家、NGOや地域社会を含むその他のステークホルダーなどを指導するものである。

トラヤ・オベイド国連人口基金事務局長はこのように語る。「枠組みはHIV陽性の女性たちに、自らの子供への授乳に関して情報を得た上での選択ができるよう目指している。それは更に、政策立案者やステークホルダーに対して女性たちの選択が実行される環境を保証できるか試している。」

世界保健機関の家族・地域保健事務局次官(Assistant General-Director)ジョイ・ファマフィー氏はこのように述べている。「枠組みは、政策立案者やステークホルダーが活動を計画し実行できるよう支援している。最終目標は、HIVの存在する環境の中で、母親が最も適した授乳方法を選択できるよう支援することである。」

この枠組みは、HIV/AIDSに大きな打撃を受けた国が抱える問題に対応している。2002年の時点では、およそ320万人の15歳以下の子供たちが HIVに感染していたと推定されている。合計で80万人が新たに感染し、61万人が死亡した。幼児のHIV感染原因のほとんどは母子感染である。感染の約 15-30%は妊娠中もしくは出産の際におき、約5-20%の幼児は授乳を通して感染する。妊娠中の女性のHIV感染率が35%以上の国では、5歳以下の死亡率の42%がHIV/AIDSによると推測されている。