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先週、国連安全保障理事会(国連安保理)は、紛争下における女性への性的暴力の即時停止を求める決議を採択した。女性や少女が犠牲になる性的暴力は、紛争状態において、ある種の戦略としても利用されてきた。彼女たちの尊厳を保護するために大きく貢献するであろうこの決議を、国連人口基金は歴史的な成果と評価し、歓迎する。

「危機的状況にさらされている女性を守るためのこの決議が採択されたことは、歴史的であり、とても心強く思います。紛争下における女性への性的暴力は、これまでは取るに足らぬ問題として、ないがしろにされてきたために、多くの女性たちがこの犯罪行為の犠牲になってきたのです」と国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイドは述べた。

先週木曜日、15の理事国が丸一日がかりの議論を行い、「安保理決議1820」を全会一致で採択した。 この決議により、民間人に対する性的暴力を禁じ、軍を訓練し、規律に従わせることで、性的暴力を未然に防ぎ、またこのような暴力に対する対策のために、具体的な行動をとることが全加盟国に求められている。

事務局長は以下のように加えた。「この歴史的といえる決議は、性的暴力は平和への脅威であるという認識に基づいていると同時に、それに対し国際社会が迅速かつ効率的に取組む必要性を再確認させ、そして、女性や少女たちが脅威にさらされている限りは安全で平和な社会の実現はあり得ないと喚起しています。」

2000年に採択された「安保理決議1325」では、戦争が女性に影響を与えること、そして紛争解決と持続的な平和構築に女性が貢献するということが初めて明言された。新しく採択された決議では、その点が再度強調されており、さらに今後、性的暴力をなくすための取組みのための長期的経済支援を求めるための基本方針となるだろう。

国連人口基金は、紛争下での性的暴力に対して各国連機関が連携して人道支援を行う際の中心的存在である。

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Omar Gharzeddine
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