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国連人口基金のイニシアティブによって始められ、リニューアルされたエイズ時計は、HIV/エイズの感染者数を示しており、1997年以降現在にいたるまで止まることを知らずに増え続けている。

エイズ時計がニューヨークの国連本部のロビーに置かれた当時、HIV感染者は、約2,400万人であった。その後、大部分はすでに亡くなっており、何百万人もの人々が新に感染している。1999年以降エイズ時計はウェブサイト上に掲載され、近年修正が加えられ内容がより充実している。エイズ時計の役割は現在にいたるまで変わらず、世界の人々にHIV感染者数を提示し、迅速な対応の必要性を訴え続けている。

25年前にエイズが発見されてから、6,500万人以上の人々がHIVに感染し、2,500万人以上が亡くなり、推定4,030万人が新たに感染している。「エイズ時計は、我々の仕事がいかに急を要するのかということを思い起こさせてくれる」「感染者が増えるごとに音を立てて数値を刻む。それぞれの数値は、個人の顔、家族、その他の感染者を象徴している。我々の目的は、感染者数の増加率を下げ、最終的にはエイズ時計の数値をゼロにすることであり、そのためにはHIV予防が何より大切である」と国連人口基金事務局長トラヤ・A・オベイドは強調した。

エイズ時計の数値は、UNAIDS国連エイズ合同計画)が発表する「世界エイズ報告書2006」のデータに従って修正される予定である。その報告書は「国連エイズ特別総会ハイレベル・レビュー会議」(5月31日~6月2日)で公表される。2001年に開かれた国連エイズ特別総会における「HIV/エイズに関する政治宣言」の採択後5年間の進捗評価をまとめたものである。

エイズ時計のウェブサイトでは、HIV感染者数の推定値だけではなく、UNAIDSから提供される情報をもとに、地域ごとの感染者数、関連するデータや HIV感染の動向を表示している。また、UNAIDSの共同スポンサーである10の国際機関や様々なキャンペーン情報にリンクしており、HIV/エイズに関する問題意識を高め、効果的な支援を可能にしている。

毎月何千人もの人々がエイズ時計にアクセスしている。団体、学校、メディア関係者などに、ぜひともこの啓発ツール(エイズ時計)を活用してほしい。