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スマトラ沖地震・津波の被災者救援のため2800万米ドルを求めた国連人口基金(UNFPA)の緊急アピールを受けて、ドイツ政府が810万米ドル、ノルウェー政府が200万米ドルを新たに国連人口基金に拠出することが明らかになった。国連人口基金では、こうした新たな資金援助の表明に歓迎の意を表している。ドイツ政府の拠出金は、津波の被害が大きかったインドネシアのナングル、アチェ、ダルサラム、そして北スマトラ州におけるリプロダクティブヘルス・サービスの再建と被災者の心のケアを行なうサポートセンターの支援に充てられるほか、現在国連人口基金がスリランカで展開する性的虐待・性暴力防止プロジェクトにかかる全費用もカバーされる。ノルウェー政府からの拠出金は、被災地域全体でのリプロダクティブヘルス・サービスの立て直しに拍車をかけるものとなる。

先週はじめには、国連人口基金に対し、日本政府から550万ドル、オランダ政府から100万ドルの支援表明があった。国連人口基金では、最も被害の大きかったインドネシア、スリランカ、モルディブの3カ国に暮らす女性被災者の緊急支援に必要だとして、2800万米ドルを国際社会に要請している。被災地には、少なくとも15万人の妊婦がおり、そのうち5万人が3ヶ月以内に出産を予定しているとされる。国連人口基金では特にこうした妊婦の健康状態を懸念している。

トラヤ・オベイド国連人口基金事務局長は、「私たちは、ドイツ、ノルウェー両政府からの寛大な支援に強く勇気づけられています。国連人口基金は、被災地で暮らす多くの人々、特に女性と少女たちのために、崩壊した保健・衛生サービスの再建や被災者の心理的サポートの充実、安全の確保を目指し活動を続けてまいります」と談話を発表した。

国連人口基金は、医薬品や清潔な医療器具など出産に必要な物資をすでに被災地で配布しているほか、女性に対する性的虐待・暴力や人身売買の防止・監視活動を展開している。災害時などの非常事態では、女性を標的にした性暴力などが頻発するとされている。