国連人口基金(UNFPA)とその活動パートナーは、パキスタンにおける高い妊産婦死亡率を下げ人々の家族計画への需要に応えるため、今後5年間でリプロダクティブ・ヘルス・サービスの提供の飛躍的な拡大を目指すことに合意した。パキスタンの母親達の命を救い、人口増加を安定させることを狙いとする本合意書は、今月初旬パキスタン政府立会いの下、イスラマバードにて調印された。この5年計画に国連人口基金は総額1,800万ドルを避妊具の調達のために支援、この内800万ドルは自らの基金から、1,000万ドルは英国政府の国際開発部門からの拠出である。さらに、米国国際開発機関(USAID)が避妊具の購入とサービスのために5,000万ドルを出資している。パキスタン政府は毎年700万ドルを避妊具調達に活用する予定。
国連人口基金は避妊具の国際調達を一手に引き受ける他、国内に点在する公共保健センターへの避妊具配給等(特に避妊具の供給が不足している地方を中心に)への技術支援を行う。パキスタンにおける避妊具の使用は緩やかな伸びが続く期間を過ぎ、最近になって増え始め、現在28%の出産可能時期にいる女性が現代的な家族計画の方式を実行している。しかし、家族計画サービスが受けられる状態でさえあればもっと多くのカップルが家族計画を実施すると見られている。パキスタン政府の人口政策は自発的な避妊具使用の奨励により2007年までに家族計画を実施するカップルを40%から50%に増やそうとしている。
パキスタンは世界で高い人口増加率を示す国の1つである。1950年以来人口は3倍以上の1,535万人にのぼり、2050年には3,500万人になる見込みである。平均的な家族の構成人数は下がったが、未だに1人の女性が5人以上の子供を出産し、妊産婦の死亡率も高いままである