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国連人口基金(UNFPA)は、アフリカとアジアの保健分野における人材不足に緊急に対応すべきである、と呼びかける世界中の国際保健活動家たちに賛同する。

「保健医療従事者は皆の為に、皆は保健医療従事者の為に」宣言および行動計画が、「第1回保健分野における人的資源のためのグローバル・フォーラム」にて承認された。同フォーラムは、国連人口基金も参加する世界医療人材連携(Global Health Workforce Alliance)の主催で、3月2-7日にウガンダの首都カンパラにて開催された。

開発途上国のセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス分野における人材不足はとりわけ深刻だ。フォーラムに出席した国連人口基金技術支援局次長へディア・ベラジ(Hedia Belhadj)は以下のように述べた。「すべての国が、各国民の保健に関するニーズを満たすために必要な人材を確保すべく、国連人口基金は支援しています。加えて、熟練した保健医療従事者の不足により、リプロダクティブ・ヘルスサービスを享受できない若者の数は未だかつてない規模となっています。現状の打開のためには、公共以外の医療従事者、及び教育労働などの他分野の関係者と協働することが必要とされています。」

世界医療人材連携の推計によると、特に状況が深刻な57カ国では、医師、助産師、看護師などの保健医療従事者不足数の合計は425万人にのぼる。例えば、世界の全人口の11%が住み、世界疾病負担の29%を抱えるサハラ以南のアフリカでは、保健医療従事者の数は全世界のたった3%にすぎない。

多くの保健医療従事者が、よい高い賃金やより良い労働条件を求めて海外に流出している。これに加え、国内の都市部と農村部での格差が生じている国も多い。

保健医療従事者の不足が妊産婦死亡の増加を引き起こしていることを、国連人口基金は特に問題視している。特に産科ケアを修得した保健医療従事者が不足すると、妊産婦と胎児に影響を及ぼす。

しかし、人的資源の量的増加だけでは現状への対策としては不十分だ。妊産婦の介護者は、出産時に母体や胎児に合併症が併発した際に、迅速に対処する術を心得ていなければならない。

「保健分野における人材不足の現状は危機的で、母親とその子供の健康に深刻な影響を与えています。妊産婦死亡数の削減のためには、産前・産後ケアに加え、出産中に必要な介護を受けられるようにすべきです。人材や受益者の量的増加(スケール・アップ)のみではなく、助産師をはじめとする妊産婦保健分野における人材の能力の向上(スキル・アップ)を推進する必要があります。」と、国連人口基金妊産婦保健シニアアドバイザー、ヴァンサン・フォヴォー(Vincent Fauveau)はフォーラムで述べた。

フォーラムの参加者によって承認された行動計画は、保健分野における人材不足の問題に取組み、調整と連携を推進し、保健医療従事者育成のための教育と訓練の機会を増やし、効果的かつ公平な保健医療従事者の国内配置と頭脳流出に関して、国内及び地球規模で一致団結して取り組むことを世界に求めるものだ。

問い合わせ先

アンジェラ・ウォーカー(Angela Walker)
電話:+(221)5080745
Eメール:awalker@unfpa.org

ヴァンサン・フォヴォー(Vincent Fauveau)
電話:+41229178574/+41793773664
Eメール:fauveau@unfpa.org