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人口学者ジョン・コールドウェル氏及びアジスアベバ・フィスチューラ病院が2004年国連人口賞受賞

人口学者ジョン・コールドウェル氏及びアジスアベバ・フィスチューラ病院が2004年国連人口賞受賞

Press Release

人口学者ジョン・コールドウェル氏及びアジスアベバ・フィスチューラ病院が2004年国連人口賞受賞

calendar_today 26 4月 2004

世界的に著名な人口学者, ジョン・コールドウェル氏(John C. Caldwell)と出産時の傷害における治療の開拓者である、アジスアベバ・フィスチューラ病院が2004年度国連人口賞を受賞した。この賞は、人口分野及び個人の健康と福祉の改善にすばらしい業績をあげた人物と機関に与えられるものである。

イフェカール・アフメド・チュードゥリーバングラデシュ大使(Ifekhar Ahmed Chowdhury)が議長を務める国連人口賞選考委員会は、世界中から推薦された候補者を審査した結果、2人の受賞者を選出した。選考委員会は国連の加盟国代表で構成され、国連人口基金(UNFPA)が事務局になっている。授賞式はニューヨークの国連本部で7月に行われ、受賞者には賞状、メダル、賞金が贈呈される。

選考委員会に送られた推薦状によると、個人部門での今年の受賞者であるコールドウェル氏は、人口学の分野で最も影響力がありかつ多くの業績を残している学者の1人である。氏の発表した論文は300本以上をかぞえ、アフリカでのHIV/エイズの流行を人口学的、疫学及び社会文化的現象として捉えた氏の研究は他に類を見ないものである。また、氏の1976年の論文「人口転換理論の再考に向けて(Toward a Restatement of Demographic Transition Theory)」は、世代間における富の流れの方向変化について考察しているが、この分野においては唯一最も影響力のあるものとされている。氏の研究は主としてサハラ以南のアフリカとアジアに集中している。現在、コールドウェル氏はオーストラリア国立大学キャンベラ校社会科学研究所の人口学の名誉教授である。

アジスアベバ・フィスチューラ病院は機関としてすばらしい業績をあげたとして、2004年度国連人口賞を受賞した。同病院は1974年に設立され、フィスチューラの女性の治療や診療を専門としていることでとくに知られている。フィスチューラとは、出産時に女性の産道が傷つけられたことによって、常に失禁が続く状態になってしまう壊滅的な出産時傷害である。同病院では、年に1,200人以上の女性を無料で診療し、今までに25,000人以上の女性を治療してきた。治療にはフィスチューラに苦しむ人々の健康と尊厳を回復させるための包括的なアプローチをとっており、識字クラス、物理療法、そして女性たちが完治した際に再び地域に復帰できるようなサポートも行っている。同病院は、エチオピア国内のみならず開発途上国に対しても外科技術の訓練機関としての役割を果たしている。

国連人口賞選考委員会のメンバーは経済社会理事会によって選出され、任期は3年である。現在のメンバーは、アルジェリア、バングラデシュ、ベラルーシ、カメルーン、ガイアナ、イラン、ケニア、オランダ、ペルーから選出されている。コフィ・アナン国連事務総長とトラヤ・オベイドUNFPA事務局長も職権上、委員会のメンバーとなっている。

2004年度国連人口賞には、個人部門、機関部門でそれぞれ5人、全部で10人の候補がいた。候補者は、国連加盟国、人口関連の活動をしている政府間組織、国連諮問機関としての資格を有している人口分野のNGO、人口及び関連分野の大学教授、人口関連機関の機関長、そして過去の受賞者によって推薦される。