6月9日月曜日、リベリアの首都モンロヴィアとつないで行われた保健省大臣ピーター・コールマン博士に対する電話インタヴューの中で大臣は、2つの公立病院で働く医師と看護師が大量の負傷した部隊や市民の手当てのために超過勤務が続いており、人手と物資の不足のせいで現場は回らなくなってきていると述べた。
大臣はまた、モンロヴィアにある2つの病院のうちの1つでは外科治療の設備が機能しているが、それは今回の暴動が勃発の様相を呈し始める前に、すでに赤十字(ICRC)と他の人道援助団体によって支給されたものであると訴えた。
急を要する妊産婦の何人かは、救急車で機能している最寄の病院に運ばれたが、妊産婦患者は戦闘の継続と、水や食糧、医療サービスの不足のために急激に増えている。
国連人口基金(UNFPA)では先週リベリアに向けて、分娩や病気の治療、輸血の安全性のためのリプロダクティブ・ヘルス用品、医薬品、器具等の救援物資を発送した。しかしリベリアの70%の地域では未だに人道支援の到達が困難な状況にある。戦闘下にあるほかの国同様に、国連人口基金はリベリアICRCや他の国内機関の応援を受けてきた。
国連人口基金のトラヤ・オベイド事務局長は、国連のアナン事務総長や他の国連機関のトップとともに、即時停戦と一般市民への完全なアクセスを訴えている。
10年以上にわたる戦闘と破壊行ためによって既に悲惨極まる市民の状況は、反乱軍の首都進軍によってモンロヴィアの居住地域が戦地化し、膨大な数のリベリア人が四方に避難したことによって、さらに劣悪なものになった。戦火が都心に近づくことを恐れる住民が日増しに首都から脱出する一方で、モンロヴィア周辺の難民キャンプに身を寄せる11万5,000人の多くが首都へとあふれ出している。
コールマン大臣によると、何千という難民のテントが現在では市内のナショナル・スタジアムに移動し、そこでは保健省と国際援助団体は水と食糧、衛生面の基本的なニーズの対処に追われている。しかしそのいずれもモンロヴィア全域で不足しており、さらなる供給が絶対的に必要である。
国連人口基金のスタッフの一人は今朝の電話で次のように話した。「キャンプを離れることを余儀なくさせられ、学校や放棄された公の建物に避難していた人の多くが、今は野宿したり、モンロヴィアから歩いて脱出している。」
リベリアでは10年以上にわたる戦闘の間に、国民230万の半数以上が入れ替わった。多くの人が4、5回住み替えており、「永住なき根無し草」として知られるようになった。教育と保健に関するサービスは国のほとんどの地域で皆無であり、人口の90%以上が極貧の生活(1日1米ドル以下)を送っている。
さらにコールマン大臣は、「妊産婦が貧血症と栄養失調の危険にさらされる率は増加しており、野宿生活を送る人々の増加がマラリアの大発生の誘因となり、これらすべてが妊産婦や乳児にとって死活問題となりうるのだ」と語った。