マラウイ政府は3月30日、妊産婦・乳幼児死亡削減のためのロードマップを発表した。テーマは「妊産婦死亡は回避可能:沈黙はやめ、今こそ行動を!」である。
マラウイでは、毎日16人の女性が妊娠・出産に伴う合併症のため死亡している。このロードマップは、この死亡数を減少し、安全な妊娠・出産・産後を保障すると同時に、乳幼児の生命と健康を保障するという戦略である。
マラウイに事務所を置く国連機関を代表して、国連人口基金(UNFPA)マラウイ事務所代表エスペランス・フンディラ(Esperance Fundira)は、以下のように述べた。「妊娠、出産は喜ばしい出来事であるべきです。しかし、マラウイの多くの母親たちにとっては家族をばらばらにする非常に悲しい出来事となっています。あまりにも多くの女性が出産中に亡くなっていますが、それは予防可能なことでもあるが故に受け入れ難い事実です。」
マラウイは世界の中で最も妊産婦死亡率が高い国の一つである。「2004年マラウイ人口と健康調査」によれば、マラウイの妊産婦死亡率は出生10万人あたり984であり、年間にすると6,000人の妊産婦が死亡している。世界中では、国連人口基金、世界保健機関(WHO)、ユニセフ(UNICEF)の推計によると、529,000人の女性が妊娠・出産が原因で死亡している。
マラウイのロードマップは、望まれない妊娠や安全でない中絶を防ぐための避妊方法の普及、専門技能者の立会いの下での出産、機能的な紹介システムの普及、直ちに対応可能で質の高い緊急産科ケアや乳幼児ケアの普及などの戦略に重点を置いている。また、地域社会のエンパワーメントと妊産婦・乳幼児死亡を削減するための対策を推進するものとなっている。
「このロードマップは、2006年9月のマプト行動計画(Maputo Plan of Action of September 2006)をはじめとする国際的合意を果たそうとするマラウイ政府の決意の表明です。48 のアフリカ諸国が、妊産婦の健康とリプロダクティブ・ヘルス関連のケアやサービスを誰もが受けられるよう満場一致でこの行動計画を採択しました」とマラウイ事務所代表は語った。
ロードマップの実現が成功すれば、マラウイは、ミレニアム開発目標の目標4である乳幼児死亡率削減及び目標5の妊産婦死亡率削減を実現できるであろう。ロードマップの国・地域レベルでの試験的な実行は既に始まっている。
国連人口基金、世界保健機関、ユニセフは、ロードマップの開発に対して資金的・技術的援助を行っている。国連と開発分野のパートナー団体は、妊産婦・乳幼児死亡率を削減するためのロードマップを実行できるよう、マラウイ政府やその他のアフリカ諸国への支援を継続する方針である。
マージョリー・エンガウンジェ(Marjorie Ngaunje )マラウイ保健相は、リロングウェでの式典でこのロードマップを発表した。このロードマップ発表の式典は、南アフリカ開発共同体(SADC)の保健大臣会議の開催中に行われ、国連やドナー国、その他の開発分野のパートナー団体が出席した。