2021年9月15日ハノイ:国連人口基金(UNFPA)による技術支援と日本政府による財政支援のもと、ホーチミン共産青年団はゲアン省、ハティン省、クアンチ省で、新型コロナウイルス感染症の影響によりベトナムに帰国した移住労働者の若者たちを対象とした「ユース・イニシアティブ」を実施します。このイニシアティブでは、国内での再就職、所得の創出、生計向上スキル、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)に関する支援などの分野で、若者による若者のための支援を展開します。
同事業のオンライン署名式が9月15日にハノイで開催され、ホーチミン共産青年団、UNFPAベトナム事務所、ベトナム政府内務省、ゲアン省、ハティン省、クアンチ省の各青年団が出席しました。
帰国した移住労働者の若者への支援は、日本政府が支援するUNFPAの「ベトナム国内の社会的に脆弱な人々を対象とした新型コロナウイルスの影響を緩和するためのプロジェクト」で、最も重要な項目の一つです。同プロジェクトは、主に下記の4つに焦点を当てています。
(1) ジェンダーに基づく暴力
(2) 高齢者に対する質の高いケア
(3) リプロダクティブ・ヘルス
(4) 新型コロナウイルス感染症の影響を受けて帰国した若い移住労働者たちへの支援(14省)
ベトナムは新型コロナウイルス感染拡大で深刻な社会経済的影響を受けた国のひとつで、若者たちは脆弱な立場に置かれています。海外で移住労働者として働いていたゲアン省、ハティン省、クアンチ省出身の若者の多くは、労働環境の急変にベトナムへの帰国を余儀なくされ、その後も国内の労働市場への再統合で困難に直面しています。
このような若者を支援するため、ホーチミン共産青年団の若者・青少年センターは、3省の青年団と協働し、ユース・イニシアティブ29事業を実施します。20億ベトナムドンを超える資金協力の下、これらのユース・イニシアティブは2022年3月末までの間、帰国を余儀なくされた海外移住労働者の若者が、再就職や所得創出の機会を得るとともに、生計スキルやリプロダクティブ・ヘルスに関する知識の向上を支援します。
ホーチミン共産青年団書記のゴー・ヴァン・クオン氏は署名式で、コロナ禍で帰国した海外移住労働者の若者たちへの支援の重要性について強調したうえで、「再就職と所得創出に関するイニシアティブを進めることで若者たちが再定住できるよう、ホーチミン共産青年団事務局はベトナム青年団の関係部署とゲアン省、ハティン省、クアンチ省の青年団と緊密に連携します。イニシアティブに参画する若者たちには、クリエイティブな活動を実施する中で、自らを信じ、一生懸命に取り組み、できるだけ多くのことを学び、高度な知識と技術を身に付けていただきたいと思います。困難を克服すると同時に、同じような状況にある仲間に刺激を与えることができると信じています」と話しました。
UNFPAベトナム事務所長の北原直美は開式の辞で、新型コロナウイルス感染症の負の影響を軽減すべく活動するホーチミン共産青年団に対して感謝の意を伝えました。
「コロナ禍が若者に及ぼす影響は軽視されがちです。確かに、若者は新型コロナウイルスに対する免疫システムが比較的強いかもしれませんが、何ら影響を受けていないということではありません。若者たちは、教育や雇用の機会が奪われ、所得が失われ、求職が困難になり、医療やその他の公共サービスへのアクセスを失うなど、いくつもの問題に直面しているということを認識しなければなりません。なかでも移住労働者の若者たちは、最も大きな影響を受けています。UNFPAは、日本政府の支援による『ベトナム国内の社会的に脆弱な人々を対象とした新型コロナウイルスの影響を緩和するためのプロジェクト』の実施により、ホーチミン共産青年団と連携していきます」と、北原は述べました。
オンラインで署名式に出席した在ベトナム日本大使館の岡部大介公使は、「日本政府は、持続可能な開発目標(SDGs)の『誰一人取り残さない』という理念の実現に向けたイニシアティブを支援することができ、光栄に思います」と挨拶。また、ユース・イニシアティブを立ち上げたベトナム青年団とUNFPAに謝意を表し、新型コロナウイルス感染症がベトナムに及ぼす影響を軽減するため、全面的に支援すると述べました。
このユース・イニシアティブは、(新型コロナウイルス感染症からの)より良い復興を促進し、ベトナムの持続可能で誰一人取り残さない開発プロセスに資するものです。
※本文は当該プレスリリースを、駐日事務所にて独自に翻訳及び編集したものです。
【問い合わせ先】
UNFPAベトナム事務所
コミュニケーション・オフィサー
ディン・トゥ・フォン
メール:dhuong@unfpa.org
若者・青少年センター
コミュニケーション・プロジェクトマネジメント部
ドアン・ティ・トゥイ