5月10日、ハイチのHenri Bazin財務大臣と国連人口基金(UNFPA)はハイチの首都ポルトープランスで、同国で24年ぶりとなる国勢調査の結果を発表した。この結果から、人口の半数が20歳未満であること、失業率が何と33パーセントにも上ること、さらに就学率が49%にしか満たないことなどが明らかになった。そして、ハイチの妊産婦死亡は出産10万に対し523にもなり、西半球で最も高い率を示していることが関連する調査によって分った。
「国勢調査により、ハイチにおける根本的なニーズがどのようなものかが見えてきました。人口構成を見ると若年層が非常に多いため、教育とリプロダクティブ・ヘルスサービスにより重点を置くことが必要である」と、国連人口基金ハイチ事務所のHernando Clavijo代表は述べた。
また、別の調査によれば、ハイチ人のHIV/エイズ感染率は西半球で最も高く、4%から5%の間との推計結果が報告されている。確実な数値は出ていないが、4%から5%の間との推計である。
今回の国勢調査は、ハイチの財務省と統計・情報科学研究所によって実施され、調査員などに総勢25,000人が雇用された。1950年、71年、82年に続く、ハイチの歴史上、4回目の調査である。なお、実施費用は約8百万米ドルで、ハイチ政府の自己資金のほかに国連人口基金、米州開発銀行、欧州連合、日本政府、およびベルギーのワロン地域政府からの資金でまかなわれた。
以下に主な結果を記載する。
<社会経済的指標>
人口サイズ:840万人。なお、2010年までに1,000万人を突破すると考えられる。
人口統計学的人口増加率:年率2.5%
合計特殊出生率:女性1人当り4人
平均寿命:男性-53歳、女性-56歳
人口密度:1平方キロメートル当り302人
人口の50%が20歳未満
都市化率:40%
失業率:33%
成人識字率:59%
初等教育就学率:49%
<社会的指標:ハイチの数値が他のカリブ海地域諸国より低い>
妊産婦死亡率:出産10万件あたり523件
HIV/エイズ:総人口の4-5%がHIVに感染
幼児死亡率:8人に1人の子供が5歳の誕生日を迎える前に死亡
乳児死亡率:14人に1人の乳児が1歳の誕生日を迎える前に死亡