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国連世界食糧計画(WFP)と国連人口基金(UNFPA)は、ネパールのムグとヒュムラ地域で干ばつの被害にあった数百人の住民に対して、重要な食糧援助とリプロダクティブ・ヘルスケアの提供をおこなった。

国連世界食糧計画は、上記の地域では病気にかかる率が非常に高いという現地調査員からの報告を受けて、食糧配給の際リプロダクティブ・ヘルス移動診療所を設けるよう国連人口基金に要請した。「極めて孤立した状態にある人々に共同で手を差し伸べるべきだと思います。国連世界食糧計画と国連人口基金がネパールで行っている非常に小口の、あるいは人間本位のこの共同支援は地域の模範例となるでしょう」とリチャード・ラガン国連世界食糧計画ネパール代表は述べた。

「生命を脅かす問題に取り組むため、リプロダクティブ・ヘルスサービスを緊急に実施する必要があります」と国連人口基金ネパール事務所代表 佐崎淳子は述べた。また、「国連世界食糧計画からこの要請を受け非常にうれしく思い、すぐにムグとヒュムラ地域の人々のために、3日間のリプロダクティブ・ヘルスキャンプを計画しました」と続けた。

日の出から日没まで続いた健康診断では、医療スタッフがおよそ2,000人の診察にあたり、その内半数は女性であった。医療従事者は、出産前後ケア、その他性感染症や尿路感染症、胃炎、喘息、栄養失調などの治療を行った。さらに、ネパールで主要なリプロダクティブ・ヘルスの懸念事項の一つである子宮脱を患う女性の治療にも当たった。

国連世界食糧計画は、ムグとヒュムラ地域の八つの村落開発地区(VDCs)から来た5,000近い人々に、米と麦、大豆を混ぜたものを配給した。また、国連人口基金は、患者と深刻な備品不足に陥っている診療所に医薬品を供給した。「この共同事業を通じて、以前は機会がほとんどなかった検診を受けることができ、家族全員が治療を受けられました。また切望していた食糧も手に入れることができました。今までこのようなプログラムはありませんでしたので、是非これからも継続していただきたいです。」と、ナタルプVDCのネパリ・ラルマヤ(30歳)は述べた。

「スタッフが治療した人々の中には、今まで医者に一度も診てもらったことのない人もいました。国連世界食糧計画と協働して福祉サービスを実施することによって、遠隔地におけるヘルスケア、特にリプロダクティブ・ヘルスケアの高いニーズに、かなり効果的に取り組む機会を得ることができました。」とネパール事務所代表は述べた。

国連世界食糧計画は、ネパールの中西部と極西部地方の10の地域で、225,000人を超える干ばつの被害にあった人々へ食糧を配給しているが、この取り組みは来週まで続く見通しで、ジュムラ(Jumla)とヒュムラ(Humla)地域が次の対象地域である。国連世界食糧計画と国連人口基金は、この共同救援措置の継続を望んでいる。

「干ばつ被害にあった地域への食糧援助を行う国連世界食糧計画の役割は人命を救うために不可欠ですが、国連世界食糧計画の食糧援助と国連人口基金のリプロダクティブ・ヘルスケア、予防ケアサービスを共同で行うことによって、ネパールでも最貧層の人々の死亡数を減らすことができ、また彼らの生活の質を向上することも出来ました」と国連世界食糧計画ネパール代表は述べた。また、「食糧供給を受けた人々の中には、最後にいつ医療専門家に診察を受けたのか覚えていない人さえ多くいました。このような連携はとても意味があるので、今後も続けていきたいと思います」と続けた。