トルコとシリアの国境地域では、6日に発生した地震の影響で深刻な被害が出ています。現在までに、死者数は1万人を超え、今後さらに増加することが予想されています。被災した地域では、UNFPAが支援する産科施設、ユースセンター、女性や少女のためのセーフスペースを含む、多くの建物が倒壊したり、大きな損傷を受けました。
少なくとも、トルコでは1,500万人、シリアでは700万人が地震の影響を受けており、その中には母子保健サービスへのアクセスが必要な数千人の妊産婦も含まれています。UNFPAは、国連のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルスを推進する機関として、被災地域の女性と少女を支援するため、トルコ、シリア政府や地方当局と連携し、緊急対応の規模を拡大しています。
物流面での課題はあるものの、UNFPAはすでにトルコの配送拠点を通じて被災者へのセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(SRH)サービスの提供を開始しており、基本的な衛生用品を含むディグニティ・キット*1の配布も行っています。
シリアでは、37,000個のディグニティ・キットに加えて、4,500枚のブランケットを女性や少女に提供しています。さらに、最も大きな被害を受けたアレッポ、ハマ、ラタキアの3つの地域で、27の統合移動チーム*2を支援しています。
統合移動チームは、心理社会的支援、性と生殖に関するヘルスケア、ジェンダーに基づく暴力(GBV)への対応など、女性や少女の緊急ニーズに応えるために活動しています。さらに、安全な出産サービスの利用方法に関する情報をコミュニティに提供し、専門的なケアが必要な場合には適した医療施設を紹介します。
UNFPAは今後、被害の大きかった3つの地域にそれぞれ10の統合移動チーム、2つのSRHフィールドクリニック、女性と少女のためのセーフスペースを設置する予定です。このようなサービスの提供や、現金支援、物資調達のために必要な初期費用は1860万ドルと見積もられています。
UNFPA事務局長ナタリア・カネムは、「UNFPAは、このような困難な状況下で、今後数週間のうちに出産する予定の妊産婦を含め、地震の影響を受けたトルコとシリアの人々を支援するために尽力しています。出産時およびその前後の質の高いケアへのアクセスは、後回しにすることはできません」、「自然災害によってもたらされた破壊と不安定な状況の中で、UNFPAは女性と少女の緊急ヘルスケアおよび保護のニーズに応えるという、必要とされていることに応え、私たちができる最大限の支援を続けていきます」と述べました。
UNFPAのトルコ・シリア支援活動に関する声明文(英語)はこちらからご覧いただけます。
UNFPAは、被災地域における女性と少女の健康、福祉、保護に必要なサービスを復旧させることを当面の最優先事項として、被災地域での支援活動を続けていきます。
*1ディグニティ・キット:基本的な衛生環境を維持し、人間としての尊厳(ディグニティ)を保つために必要な日用品が入ったキット。一般的に、生理用品、下着、歯ブラシ、洗剤等が含まれている。
*2統合移動チーム:産婦人科医、助産師、心理社会的サポートの専門家と3名のコミュニティ支援ボランティアで構成される。
【トルコ・シリア地震で被災した女性と少女を救うためにー寄付のお願い】
UNFPA事務局長のナタリア・カネムは「UNFPAは、今回の地震で被災し、厳しい状況の中で出産を控える妊婦をはじめとする、支援を必要とするトルコとシリアの人々に対しての支援に尽力します」と述べています。
UNFPAは、被災地域で地震の被害状況を調査し、緊急人道支援活動を行い、女性と少女の健康とウェルビーイングに不可欠なサービスを復旧させることを最優先に活動を行っています。被災地域でさらに多くの女性と少女に支援を行うために、皆様からのあたたかいご支援をお待ちしています。寄付の詳細はこちらからご覧ください。