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ダルフール地方(スーダン)の全3州にある国内避難民キャンプにおいてE型肝炎の発生が確認された翌日、国連人口基金(UNFPA)は、妊婦が特にこのE型肝炎にかかりやすいと警告し、スーダン避難民の間でのE型肝炎流行を予防するために速やかな対応を求めている。

世界保健機構(WHO)によると、E型肝炎関連の症例が合計625件および死亡が22件、スーダン西部で報告されている。一般に、E型肝炎ウィルスは人間の排泄物で汚染された水を通して感染するため、ダルフールのような何十万人もの国内避難民が衛生設備の不十分で人口密度の高いキャンプで生活している状況では、ウィルスが瞬時に蔓延してしまう可能性があると国連人口基金とWHOは警告している。通常、E型肝炎の致死率は1~4%ほどだが、妊婦の致死率はその数倍にもなる。

「E型肝炎ウィルスの致死率は妊婦の場合20%にまで及ぶことがあり、妊娠第3期の妊婦が特に危険です」と国連人口基金のヘニア・ダカック(Henia Dakkak)博士は指摘する。博士は、ダルフールの3つの州での国連人口基金の人道支援の拡大を目的とした6週間の派遣任務から戻ったばかりである。

ウィルスが検出されたダルフール西部のある難民キャンプでは、これまでに報告されているE型肝炎による死亡8件のうち6件が妊婦であることがわかっている。

オベイド事務局長は、「E型肝炎ウィルスという脅威が加わり、国連高官が『世界最悪の人道危機』と評したダルフールでは、人道支援のすべての分野にドナー国からのさらなる支援が求められています」と述べ、栄養補助食品を含む食料の提供による栄養失調と貧血に苦しむ妊産婦や授乳中の女性への支援を優先事項としながらも、食料・飲料水から衛生・医療設備まですべての分野での国際的支援が緊急に必要であるとうったえた。

現時点で、国連は、今年8月から12月までに必要とされる緊急人道支援資金のうち半分を超える額をドナーから受け取っている。国連人口基金は、妊婦や授乳中の女性の支援や性暴力の予防、被害者の治療のために314万ドルを要請している。