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ジャマイカのジャーナリストらが「ジェンダーの平等、リプロダクティブ・ヘルス、ミレニアム開発目標」を主要なテーマとして掲げた2005年カリビアン国連人口基金メディア大賞を独占した。彼らは、ラジオ、出版、テレビ部門6つのうち4つを受賞し、スリナム共和国、トリニダード・トバゴ共和国がその他の賞を受賞した。授賞式は6日、国連人口基金によって開催された。

まず、ジャマイカのパワー106FMのダミオン・ミッチェル(Damion Mitchell)氏がラジオ部門のトップ・プラチナ賞に輝いた。受賞作品は「殺人的怒り」で、母と3人の子どもが、保護者であるはずの父親によって虐待をうける悲惨な物語となっている。IRIE FMのソニア・シムズ(Sonja Simms)氏は、「ジャマイカの買春」で金賞の2位を受賞した。

出版部門では、ジャマイカ・グリーナー新聞のエウラリー・トンプソン(Eulalee Thompson)氏が「自分の健康、自分で守る」と、同紙が年間を通して行なった健康キャンペーンの中で8月と9月に連載した「セックス、ジェンダー、そしてHIV/エイズ」がプラチナ賞に選ばれた。トリニダード・エクスプレス(Trinidad Express)新聞のセドリアン・マーティン(Cedrian Martin)氏は、若者のリプロダクティブ・ヘルス/ライツを5つの連載で取り上げた「ティーンズ・セックス」で金賞を受賞した。

テレビ部門では、持続可能な人間開発の分野で活動するスリナム共和国のNGOスティッチング・プロヘクタ(Stichting Projekta)のシャルダ・ガンガ(Sharda Ganga)氏が、「ロミオとジュリエット」の様なラブ・ストーリーを用い、HIV感染者への偏見や差別を取り上げた「愛の物語(Wan Lobi Tori)」でプラチナ賞を受賞した。ジャマイカ・テレビのキャロル・フランシス(Carol Francis)氏は、女性や10代の若者間のHIV/エイズを取り上げ、感染者を病気としてではなく人としての視点で見ることを訴え、金賞を受賞した。

カリブ諸国は、タブーが強い地域ではあるが、この大賞への出展作品には、活力とプロとしての意識を持ち偏見と戦う姿勢をもつ強いジャーナリストたちが存在しているということを示した。

参加したジャーナリストらは、カリブ諸国の社会でほとんど知られていない問題を取り上げた。彼らの作品は、いかに男女の社会的地位や役割への伝統的な考え方により、貧困や非識字の問題が悪化し、経済的な理由による路上での売春や、家庭内の虐待、暴力、殺人を引き起こされているか、ということを中心に物語が展開している。

彼らの出展作品を評価するにあたり、キングストンを拠点とするUNFPA英語およびオランダ語圏カリブ諸国 代表ハロルド・ロビンソン(Harold Robinson)は、「UNFPAは、ジェンダーの平等を含むリプロダクティブ・ヘルス/ライツを一般に広く啓発し理解を深めていくための重要な役割を果たすメディア分野のパートナーに対し、これからも支援を続けていくつもりです。」と述べた。