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ギニア、リベリアとコートジボワールの紛争終結後の国境地帯における、難民や避難民、およびその受入れ地域でのHIV/エイズや他の性感染症の拡大を防ぐ三年間のプロジェクトが本日立ち上げられた。

750万ドルを予算とするこのプロジェクト運営全般を担当している。ファマ・ハネ・バー国連人口基金アフリカ局長は、「皆様が今日このプロジェクト立ち上げの場に参加して下さったことは、紛争中・紛争後のHIV/エイズと闘うための、我々の一致団結した取り組みに対する強い関心を、はっきりと示しています。」と述べた。また、「紛争は基本的な社会サービスへのアクセスを著しく妨げます。そして住民は、安全、食料、避難場所を求めて逃げるので、避難民とならざるを得ません。このような悲惨な状況の下で、HIV/エイズは、地域の人道的危機への対処能力に影響を与えるでしょう。」とも述べた。

このプロジェクトは、およそ100万人の人々に利益をもたらし、そのうち50%は子供、35%が女性世帯主であることが予測される。プロジェクトが施行される地域は、コートジボアールのダナネ(Danane)、リベリアのニンバ(Nimba)、ギニアのグエチェドー(Gueckedou)、シエラレオネのケネマ(Kenema)の4ヶ所となっている。

このプロジェクトのパートナーは、ギニア、リベリア、シエラレオネ、そしてコートジボアールの国立エイズ事務局、国連人口基金(UNFPA)、世界保健機構、国連開発計画、国連難民高等弁務官事務所、国連エイズ合同計画、国連児童基金、アフリカ開発銀行、マノ川同盟事務局、NGO、そして避難民の代表から構成されている。

アフリカ開発銀行の報告によると、4カ国において、190万人の人々がHIVに感染していると推計される。約14万人がエイズにより死亡し、90万人の子どもが孤児となった。

全体的な数字としては比較的少ないものの、国境付近は、HIVやその他の性感染症が蔓延しうる潜在的条件がそろっており、難民や国内避難民、およびその受け入れ地域が危険にさらされている。高い人口移動率と、低い識字レベル、設備の乏しい健康センターや薬物使用、避妊手段をとっていない性交渉がその要因となっている。

本プロジェクトに融資しているアフリカ開発銀行の西部・中央部諸国の事業責任者であるユーセフ・モハメド氏は、「マノ川連合諸国内およびその国境を超える難民と帰還民の人口過密と頻繁な移動が生じている。これらの人々は基礎的な保健医療が受けられず、HIV/エイズなどの性感染症に感染する危険が高く、より一層の国家間の協力を必要としている。」と述べた。「更に、該当4カ国と、これら諸国の国境付近における人口移動の流動性との複雑な関連を考慮すると、HIV/エイズとの戦いは一国の国家レベルでは解決することができない。」と述べた。

プロジェクトでは、2015年までにこの地域におけるHIV/エイズの蔓延を阻止し、さらには感染を減少させることを目的としている。これはミレニアム開発目標の一つでもある。更に、輸血の際に血液検査を100%実施すること、特にリスクの高いグループの80%に対し、より明確な情報を把握し、責任ある行動を取るよう促進すること、二人に一人の割合で若者がコンドームを使用するよう奨励すること、HIVに関する自主的なカウンセリングと検査サービスを 80ヶ所の施設において提供すること、性感染性の実態の9割を把握すること、8000人のエイズ感染者に対する医療と精神面での支援、また HIV/エイズに感染している80%の妊産婦の母子感染を予防することを目標としている。

「私たちは、国境地域で生活している人々に必ずこのプロジェクトが行き届き、そして見落とされないようにしなければなりません。」と国連人口基金シエラレオネ代表のディアロ・ママデゥ博士は語った。さらに、「この問題に取り組んでいかなければ、4カ国の国々での成果は損なわれてしまいます。それを防ぐためにも誰一人としてこのプロジェクトの対象から抜け落ちてはならないのです。」と述べた。