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アメリカの長者番付を毎年発表していることでも有名な「フォーブス」誌のアラビア語版12月号で、トラヤ・オベイド国連人口基金(UNFPA)事務局長が「アラブ世界で最も影響力のある女性トップ50」に選ばれた。アラブ諸国19カ国計120名の候補者の中から選ばれたこの「トップ50」には、政治、経済、スポーツ、科学、文学など様々な分野から、影響力があるとされる女性が選ばれている。オベイド事務局長のほかには、ヨルダンのラニア女王やエジプト大統領夫人のスーザン・ムバラクさんなどアラブ諸国のファースト・レディや、パレスチナの活動家ハナン・アシュラウィさん、ヨルダンのヌーア女王、サウジ・オラヤン金融会社CEO(最高経営責任者)のルブナ・オラヤンさん、レバノンの国会議員ナイラ・モアワッドさん、ヨルダンの上院議員レイラ・シャラフさんなどが名前を列ねている。

オベイド事務局長が選ばれたのは、国連人口基金事務局長として女性の権利向上と女性のエンパワーメントに貢献していることと、また国際開発の分野で女性の問題を30年にわたり取り上げてきたことが評価された。最近では、女性に対する暴力の廃絶に向けた活動に熱心に取り組んでいる。昨年10月の国連安全保障理事会では、女性や少女に対する暴力に対して世界は十分に対応してこなかったと批判する演説を行なったが、長年安保理の議事を見守ってきた職員が「数ある安保理の演説の中でも際立って力強いものだった」と賞賛したという。また、昨年11月25日「女性に対する暴力撤廃の国際デー」での演説では、「どのような状況であれ、国家や権力者が、宗教や伝統・慣習を理由に女性に対する暴力を正当化するようなことを許してはなりません」と訴えた。オベイド事務局長は、女性の権利を基本的人権のひとつとして、また、貧困削減および開発への足がかりとして、その向上に長年努めている。

「女性に対する暴力撤廃の国際デー」での演説(英語)