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ウガンダで今週、妊娠関連のあらゆる身体障害の中でもっとも深刻なものであるフィスチュラを撲滅するための全国運動が、大統領夫人ジャネット・ムセベニ(Janet Museveni)の参加を得て始動した。このキャンペーンを通じて、12の地域病院はフィスチュラ手術に大いに必要な医療機器の提供を、地域の医師は手術や術後ケアの訓練を受けることになる。この問題についての意識を広めるためのアドボカシー(政策提言)活動も行われ、また、医療機関のカリキュラムにフィスチュラについての研修を含める取り組みも行われる。

フィスチュラの根本的原因は、貧困、不十分な妊産婦医療サービス、そして女性に対する社会的差別である。大統領夫人はまた、ウガンダにおける母性保護と HIV/エイズの問題についても取り組んできた経歴を持つ。保健省の代表、宗教的・文化的指導者を含む、約150名の参加者がカンパラでの出陣式に参加した。

妊産婦のフィスチュラは予防・治療が可能な病気であるが、開発途上国ではいまだに200万人以上の女性が治療を受けられずにいる。フィスチュラは長時間に及ぶ閉塞的な陣痛と、それを和らげる適切な医療措置(殊に帝王切開)の欠如との組み合わせによって発症する。発症した場合、母親には慢性的な失禁障害が残り、ほとんどすべての新生児は死亡する。

キャンペーンの出陣式において、国連人口基金(UNFPA)ウガンダ代表ジェームス・クライア(James Kuriah)は、「フィスチュラは新聞の見出しになるようなタイプの病気ではない。なぜなら犠牲者は、スティグマ(汚辱)によって恥じ入り、打ち明けることをためらうからだ」と述べた。「私は、この不幸に冒された何千人もの女性に希望を与えることに、我々一人ひとりが貢献できることを確信している」

2003年に行われた基礎調査が、こうしたキャンペーン活動を方向づけた。国内の少なくとも4つの病院がフィスチュラ手術を提供しているが、そのいずれも、フィスチュラ患者の増加、フィスチュラ治療の訓練を受けた手術医の不足、手術室の不足と不十分な設備、そして手術を待つ多くの女性たちを診療する訪問医への高まる依存などといった、同じような問題に直面している。

ウガンダの女性の約60パーセントが自宅出産を行い、熟練助産師の立ち会いの下で行われる出産はわずか38パーセントである。同国は過去数年間にわたり、妊産婦死亡率数の減少、国内病院数の増加、遠隔地への熟練医療従事者の配置などの一貫した努力を行ってきた。

国連人口基金は現在、フィスチュラ撲滅のための史上初の世界的キャンペーンを展開している。その長期的目標は、開発途上地域におけるフィスチュラを、今日の先進国並みの水準に引き下げることである。キャンペーンは現在、サハラ以南のアフリカ、アラブ地域、南アジア地域の20以上の国々に対して支援を行っている。ウガンダでのフィスチュラ・イニシアティブはビル&メリンダ・ゲイツ財団とフィンランド政府からの多額の無償資金による援助を受けている。