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ベイルートで開催されたアラブ地域人口フォーラムは、1994年にカイロで開かれた「国際人口開発会議(International Conference on Population and Development, ICPD)」の「行動計画(Programme of Action, PoA)」を地域内で着実に実施することを再確認し、宣言を採択した。11月19日から21日まで2日間行なわれたこのフォーラムでは、人口と開発分野におけるこの地域の進捗状況と直面している課題について話し合われ、日曜日に閉幕した。

このフォーラムは、レバノン政府主催のもと、西アジア経済社会委員会(ESCWA)、アラブ連盟、国連人口基金(UNFPA)によって開催され、アラブ諸国の国会議員や政府関係者、国連機関やNGO代表、人口・開発の分野の専門家など、 100名以上が出席した。ICPDから10年を迎えた今年世界各地で記念行事が行なわれているが、このフォーラムもその一環として開催され、人口とリプロダクティブヘルスが開発課題の中心となるよう定めた行動計画の再確認がなされている。

フォーラムで採択された「ベイルート宣言」では、行動計画実施を支援してきた国連人口基金、アラブ連盟そして西アジア経済社会委員会の功績が称えられた。そして、アラブ各国の政府が行動計画の枠組みにおいて人口政策と人間開発戦略を実施すること、そしてそれらの活動を支援する為の独立した財源を開拓することを呼びかけている。また、市民社会と政府機関のより緊密な協力が透明かつ民主的に行なわれることで、人口と開発分野におけるパートナーシップが醸成されるとうったえている。若い世代について言及しているのもこのベイルート宣言の特徴で、若者を対象にした支援プログラムやケアを優先的に実施することのほか、若者の生活向上およびより実質的なプログラム参加を促していくことの重要性が強調されている。

宣言では、このフォーラムでの提言を新たなプログラムやプロジェクトといった形で関係各機関および政府などによる誓約やコミットメントに反映することのほか、国家、地域、国際レベルの機関を通じて多様な財源を開拓することの重要性も強調されている。さらに、ドナー国やドナー機関にたいしは、ICPDで誓約した拠出金(とくに2005年までに30億米ドルを拠出するというもの)を支払うことを強く求めている。

フォーラムの出席者は、ICPDの目標やミレニアム開発目標を完全に達成するべく引き続き努力していきながら、ICPD行動計画の達成がミレニアム開発目標および他の開発目標の達成につながっていくという確信のもと、アラブ地域に暮らす人々の経済、社会発展に尽くすことを誓い、フォーラムは散会した。