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国連事務総長コフィ・アナン(Kofi Annan)氏が任命した専門家パネルは、アフリカでは人口政策と開発との密接な関係が認められているとの見解を示した。この認識を反映して、急速な人口増加が開発に及ぼす過大な負担や重圧を軽減するためにアフリカ諸国の多くは、人口関連の課題を開発プロセスに統合しつつある。この統合はUNFPAの活動に負うところが大きい。

パネル(団長はガーナの元金融大臣クワジ・ボチウェイ(Kwesi Botchwey)氏)は、1990年代におけるアフリカ開発のための国連・新アジェンダを評価するため、国連総会の要請に基づき設けられた。この新たな課題は、アフリカ経済の促進と自立能力強化のために、アフリカ諸国と国際社会間の取り極めとして1991年に国連総会によって採択されたものである。

このパネルによると、開発と人口を結びつけるアフリカの活動には、「ジェンダー間の衡平の徹底と女性のエンパワーメント」が盛り込まれ、「紛争事態時を含め、女性、新生児、青少年のリプロダクティブ・ヘルス・ライツを促進する」ものであった。

パネルは国連人口基金の啓蒙的役割に留意し、「人口問題を開発アジェンダに統合するという進歩的・中心的役割を果たした」と評している。開発アジェンダへの人口問題の統合とは、妊産婦および乳幼児死亡率の低減、家族計画の実施、そして一般的には、全体的な生活水準の向上を意味する。国連人口基金を始めとする諸機関は、国際社会全体に関係するグローバルな課題としてHIV/AIDS、女性の性器切除、女性の教育(特に低就学率と高中退率)に取り組んできた。

アフリカの年人口増加率は、過去10年間で3%から2.45%に低下した。とはいえ、なおアフリカの人口増加率は世界で最も高く、国内総生産および総食糧生産を上回るものであるとして、パネルは警告している。

パネル・レポートに基づき、アナン事務総長は国連総会に対して、アフリカ諸国の指導者が同地域の主要な開発枠組みとして採択した「アフリカ開発のための新たなパートナーシップ(NEPAD)」について、その実施を国連システムがどのように支援していけるかに関する提案を行ってきた。本日より国連総会は勧告の検討に入る。