前代未聞の高齢化問題に取り組むため、アジア各国の政府は高齢者の経済、社会、保健医療におけるニーズを満たすための対策案を作成している。しかし、増大する高齢化問題に対して適切な政策は十分に行われておらず、特に開発途上国では対応が遅れている。
会議において、政府関係者やNGOの代表たちに対し、急速な人口構成の転換や関連した社会的変化への対応策について専門的な国別の報告が行われた。高齢者が適切なサービスと支援を享受し、活動的で健康な生活を送ることができるため政策提言を採択した。
出生率の低下及び平均余命の伸びにより、今後45年間でアジアにおける60歳以上人口は現在の3倍の13億人にのぼり、総人口の10%から、25%に拡大すると予測されている。日本の60歳以上の人口は現在28%であるが、2050年までに44%に達するといわれている。こうした人口統計上の変化が最も早いスピードで進行している東南アジアでは、2008年までに15歳以下の子どもの数を高齢者数が上回るとされている。
同時に、家族や高齢者への支援の在り方も変化している。慢性疾患の影響を受けている高齢者数が増えており、またその大半が女性である。
こうした現実の社会変化に取り組むため、近年多くの国で対策が講じられ、経済的に豊かな国では広範囲に及ぶ政策をうまく機能させている例も見られる。しかし、大多数の国においては、増え続ける高齢者層のための財政面や保健面での保障のための資源やサポート体制が不足している。「高齢化に関するマドリッド国際行動計画」は、この問題に対し各国政府が解決策を見出すことを推進する。アジア・太平洋地域は「行動計画」採択後5年間の進展を評価する初めての地域となる。
ガリメラ・ギリダールは、会議において国連人口基金(UNFPA)を代表して、「国連人口基金はパートナーと協働して、公共政策に働きかけ、高齢者の権利の拡大、開発の場への進出、社会的貢献度の向上、そして高齢者のための社会・医療サービスの普及に努めています」と述べた。東・東南アジア技術支援事務所長もコメントを発表している。「国連人口基金は差別に反対する法律制定や、関連データの収集と分析を促進し、家族やコミュニティが高齢者を支えるよう奨励するため、アジアの国々で活動しています。」
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