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「ミサイルが家の上空を通過するのを見た」モルドバへ逃れたウクライナの妊産婦

「ミサイルが家の上空を通過するのを見た」モルドバへ逃れたウクライナの妊産婦

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「ミサイルが家の上空を通過するのを見た」モルドバへ逃れたウクライナの妊産婦

calendar_today 07 3月 2022

母親と幼い息子を連れてウクライナのオデーサからモルドバに向かった妊娠9か月のダリア・スミルノワさん(写真右)。首都キシナウにある避難所に滞在しています。 © UNFPA Moldova/Adriana Bîzgu

母親と幼い息子を連れて、ウクライナのオデーサを出発したダリア・スミルノワさん(33歳)は、約180キロ離れたモルドバの首都キシナウに到着しました。現在、妊娠9か月目を迎えており、あと数週間で男の子を出産する予定です。

 

モルドバ・キシナウ225日の朝、私たちは自宅を出発しました。その前日、大きな爆発音がして朝早くに目が覚めました。ミサイルが家の上空を通過するのを見て、恐ろしくてたまりませんでした。私たちはすぐに荷造りを始め、地下室に移動し、その日はそこで夜を過ごしました。

 

この恐怖に耐えられず、私たちは国境まで行くことを決心しました。私には小さな子どもがいて、さらにもうひとり出産を控えています。しかし、爆弾が襲ってくるのをただじっと座って待っているわけにはいきませんでした。

 

国境までの道のりはとても長く、大変なものでした。私たちは銃撃されるのではないかと怯えていました。私たちは走り続け、車が引き返してくる度に、皆パニックになりました。私たちは引き返すことなく、夜遅くになってようやくキシナウにたどり着くことができました。

 

多くの人が今、ここに避難するにはどうすればいいのかと、私たちに連絡してきています。この状況に誰もが恐れていて、安全な場所に避難したいと願っています。男性たちは女性たちのそばにいて、安全を確保してくれています。他の人たちもここを離れず、私たちのことを助けてくれています。

 

私はこの状況にとても混乱しています。これからどうすればいいのか、ずっと考えています。食欲もなく、毎日三、四時間程度しか眠れません。これから先のことはまだ何も決められていません。出産するまではここに滞在したいと思っていますが、その後このとはわかりません。とにかく状況がよくなることを祈っています。

 

国連人口基金(UNFPA)は、モルドバ各地の避難所にいるウクライナ難民を対象に、月経衛生用品を含む「ディグニティ(尊厳)キット」を1,300個を緊急配布しました。このキットは、女性たちの尊厳、自尊心、自信を保ち、この人道危機の中で生き抜く力を持ち続けることを手助けするものです。

 

また、UNFPAはリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)サービスに関する情報を提供し、スミルノワさんのような妊産婦を適切な医療施設へと紹介しています。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の調査では、10万人以上のウクライナ人がモルドバへ避難していると報告されています。

 

本文は当該記事を、駐日事務所にて翻訳・編集したものです。

 

関連情報

NHKウクライナ 避難先地下で女性出産余儀なく UNFPA危機感示す

BBC WorldUNFPAウクライナ事務所長 ハイメイ・ナダルのインタビュー

Sky NewsUNFPA東欧・中央アジア地域事務所長 ジュリア・ヴァレーゼの報告

 

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ウクライナで活動を行っているUNFPAは現在、ロシアによる軍事侵攻と被害の拡大により、甚大な被害を受けた女性と少女たちの命と尊厳を守るための人道支援活動を拡大しています。そのための「ウクライナ緊急支援寄付」を立ち上げ、皆さまのあたたかいご支援、ご協力を呼びかけています。

 

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