5月23日の「フィスチュラ国際撲滅デー」に合わせて「フィスチュラシンポジウム2019」が東京女子医科大学病院にて開催され、所長の佐藤がフィスチュラ撲滅に向けてUNFPAが行っている活動の報告をしました。50名ほどの参加者の中には、若い方も多く、フィスチュラへの関心の高さが伺えました。モデレーターは東京女子医科大学医学部の杉下智彦教授が務められ、登壇者にはアステラス製薬株式会社医療政策部長 知原修氏や、『国境なき助産師が行く』著者である小島毬奈氏、産科フィスチュラ研究・啓発団体「ララアース」代表の小笠原絢子氏が並び、当国連人口基金をはじめ、企業や助産師個人、任意団体によるフィスチュラへの多岐に渡る取り組みが紹介されました。
冒頭では、本シンポジウムの主催者である小笠原氏より、フィスチュラについての説明や、エチオピアでのフィスチュラ専門病院訪問の活動報告がなされました。
地中海の難民救助船をはじめ、数々の海外ミッションで医療活動に従事されていた助産師の小島氏は、実際にカメルーン紛争地帯で配給していたUNFPAのクリーン・デリバリーキットを紹介してくださいました。
パネルディスカッションは、モデレーターの杉下教授により、参加者と登壇者が率直な意見を交換し合える場となりました。フィスチュラの症状に対する具体的な対処法や、男性としての問題へのかかわり方等に関する質問に対して、登壇者が自らの体験を基に回答しました。所長の佐藤は「日本からフィスチュラ患者を気に掛けるという行動が、どれほど患者本人たちの胸に響くことか」と述べ、日本でのフィスチュラの認知向上を呼びかけました。
今回のシンポジウムは、日本におけるフィスチュラ撲滅への団結力が強められる機会となりました。