2016年、日本政府は、UNFPAのイラクにおけるプロジェクト「リプロダクティブ・ヘルスと人間の安全保障:紛争下における女性の命の保護、コミュニティーの保護」に、250万米ドルを拠出しました。
2016年10月29日アンバール県ヒートのアル・サラム分娩施設が開設され、産婦人科のサービス提供が始まり、初日には3人の赤ちゃんが生まれました。一番最初に生まれた赤ちゃんの名前にちなんで、その分娩施設は「ラヤン」と名付けられました。
この施設には、待合室、診療室、分娩第一期・第二期のための部屋(分娩ベッド2台)、回復室、スタッフ休憩室、そして薬を保管する部屋がそれぞれ一部屋ずつあります。毎日約4件の出産と約30件の診察が行われています。アンバール県全体で見ると、一日の診察数は多いところで70件、また一日の出産数は8件に達するところもあります。
毎日24時間体制でサービスを提供しているこの分娩施設では、4名の産婦人科医、4名の看護士、3名の医療アシスタント、3名の清掃員、そして3名の警備員が働いています。分娩サービスの他には、ヒートとその周辺に住む女性に対して、リプロダクティブ・ヘルスに関する診察・家族計画・産前産後検診・性感染症治療といった、一連のリプロダクティブ・ヘルスサービスも提供しています。
日本政府の支援により、現在までにイラク全体で4,700件の出産が安全に行われ、5万件のリプロダクティブ・ヘルスに関する診察が行われました。