10月2日、国連人口基金(UNFPA)東京事務所が内閣府男女共同参画局や文部科学省 、 厚生労働省などと共に後援した「第6回地球女性からだ会議2020」が一般社団法人シンクパールの主催により開催されました。「新しい⽣活様式から、どう考える?変⾰時代の⼥性の⼈⽣」をテーマとし、様々なバックグラウンドの登壇者が、自身の経験や、女性の健康のために必要な取り組みなどについて語り合いました。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けて変わりゆく生活様式に合わせ、月経や妊娠について社会全体がより理解を深め、多様な対応をしていくことが、女性の健康や社会にとって大切であることが確認されました。
慶應義塾大学医学部名誉教授で産婦人科医である吉村泰典氏は、ビデオメッセージでキーノートスピーチを行い、日本の未来を築く上では女性と子どもが重要な役割を担うと強調し、「女性の性と生殖に関する健康(SRH)が認められるような社会を目指すことが必要です」と現在の日本社会に警鐘を鳴らしました。
女性の権利や健康について話し合うプラットフォーム「Let’s talk!」のホストである、スーパーモデル Natalia Vodianova (ナタリア・ヴォディアノヴァ) 氏からは、「女性のからだについて話し、女性の体に関するスティグマ (偏見) や恥を打ち破りましょう」という力強いビデオメッセージが届きました。
第一部のセッションでは、UNFPA東京事務所長の佐藤摩利子も登壇し、妊娠や中絶という個人の選択が政治的決断や法律によって制限されることもあるという実例を上げながら「女性の健康問題を、政治問題にしないで欲しい」というメッセージを送りました。
武見敬三参議院議員・国際人口問題議員懇談会 幹事長は、「コロナ禍で起こる問題で、女性や子どもに関係するものは特に顕著である」と、コロナ禍において女性へのサポートが喫緊の課題であると指摘しました。
第二部のセッションでは、1998年と2006年の冬季パラリンピック、アルペンスキーの金メダリストである大日方邦子氏が「産みたいときに産むという選択を自由に持ち、そして育てるときには支援が当たり前にある。そんな社会になって欲しいです」と特に女性アスリートへの社会的なサポートの必要性について触れました。
牧島かれん衆議院議員・国際人口問題議員懇談会 女性問題部会 副部会長は、「自分の健康のセルフチェックが最後になってしまう女性があまりにも多い。日本では女性の健診が少なすぎる、ということに光を当てていきたい」と女性が検診を受けられる環境を作っていく必要性を主張しました。
乳がん・子宮頸がん検診促進議員連盟事務局長も務める木村弥生 衆議院議員は、女性性器切除(FGM)に言及し、「FGMという有害な慣習の影響で、自分のからだや自分に自信を持てない女の子がいます。そういった女性たちをエンパワーメントしていくことが重要です」と述べました。
なお、木村議員がプレゼンターを務めた第三部「女性からだ会議大賞2020」授賞式では、以下の企業が賞を授与されました。
【大賞】
株式会社ポーラ様
【特別賞】
楽天メディカルジャパン株式会社様
【優秀賞】
あすか製薬株式会社様
エイベックス・マネジメント株式会社様
サントリーホールディングス株式会社様
全日本空輸株式会社様
日本航空株式会社様
野村證券株式会社様
富士通株式会社様
ヤフー株式会社様
「第6回地球女性からだ会議2020」の様子は、以下のリンクから無料でご覧いただけます。(Facebookへのログインが必要です)
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次回は2021年3月3日「NIPPON女性からだ会議2021」が開催されます。「地球女性からだ会議」は5年後、2025年に大阪にて開催される予定です。
UNFPAは、このような会議をはじめ、今後も性と生殖に関する健康(セクシュアル ・リプロダクティブ・ヘルス)とそれを享受する権利、さらにあらゆる選択を通した女性の人生をサポートしていきます。