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「#STOPデジタル暴力キャンペーン」トークイベント開催

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イベント

「#STOPデジタル暴力キャンペーン」トークイベント開催

calendar_today 25 11月 2021

location_onHELLO, VISITS 東京大学

「#STOPデジタル暴力キャンペーン」トークイベント開催

2021年11月25日、国連人口基金(UNFPA)駐日事務所は、「#STOPデジタル暴力キャンペーン」のキックオフを記念し、特定非営利活動法人日本医療政策機構(HGPI)と共催でトークイベントを開催しました。

 

UNFPAは、毎年11月25日の「女性に対する暴力撤廃の国際デー」から12月10日の「人権デー」までの「ジェンダーに基づく暴力に反対する16日間」に、グローバル・アクション・キャンペーンを展開しています。2021年は女性や少女に対するインターネット上の暴力に焦点を当て、オンライン上の暴力が現実の暴力と同じように被害者に深刻な影響を及ぼすことについて、「#STOPデジタル暴力キャンペーン」の様々なアクションを通して啓発します。(キャンペーン概要はこちら

 

トークイベントは、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授の山口真一氏、メイクアップアーティスト/僧侶の西村宏堂氏をゲストに迎え、HELLO, VISITS東京大学で実施。牧島かれんデジタル大臣をはじめとする有識者らのメッセージも紹介されました。

 

日本におけるデジタル暴力の現状について説明を行う山口真一氏(中央)と西村宏堂氏(右)、UNFPA駐日事務所長の佐藤摩利子(左)

 

イベントでは、まずUNFPA駐日事務所長の佐藤摩利子がキャンペーンの概要について説明しました。佐藤は、女性や若者がデジタル暴力の被害に遭いやすいという調査結果を紹介し、支援の重要性を指摘しました。またUNFPAが実施するアクションとして、1)日本の木村花さんのケースを含めた11か国の女性のストーリーの紹介、2UNFPA本部によるデジタル暴力に関するレポート(英語)の発表、3)デジタル暴力に関する報道についてのガイドライン(英語)の発表、の3つを挙げました。そして「暴力がオンライン上で行われているからといって、その被害の重みに変わりはない」と主張し、国や支援団体、企業に対してデジタル暴力対策の必要性を訴えました。

 

次に、イベントに寄せられたビデオメッセージが紹介されました。

 

牧島かれん デジタル大臣は「本来オンラインの空間は楽しく、公平であるべき。オフラインで少女・女性を守ってきた知見を生かして、オンラインでも支援の体制を整えていく」と強調しました。

黄川田仁志 衆議院議員・国際人口問題議員懇談会(JPFP)事務総長は「デジタル暴力によって多くの女性が苦しめられている。女性の地位向上や、女性を取り巻く環境改善のためにまず暴力を止めなければならない」と述べました。

林伴子 内閣府男女共同参画局長は性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター#8891(はやくワンストップ)、SNS相談Cure time(キュアタイム)を紹介し「デジタル暴力は重大な人権侵害であり、決して許されるものではない。1人で悩まず相談してほしい」とコメントを寄せました。

 

その後、山口氏が日本におけるデジタル暴力の現状について、コロナ禍で炎上件数が増加したこと、その一方で炎上に参加するのは、40万人に1人程度のごく少数のネットユーザーであるという調査結果を共有。人々が炎上を知る経路の6割近くがテレビであったことから、ごく少数の攻撃的な声、誹謗中傷などをマスメディアが大きく取り上げることが炎上拡大の原因となるという現状について述べました。また、批判・誹謗中傷は本人なりの「正義感」から「無自覚」に書き込むといった傾向から誰もが加害者になりうるという点を指摘し、炎上の原因やメカニズムについて解説しました。中でも、SNSのブロックやミュート、非表示といった機能を活用した対策を提唱し「Re-Think機能をはじめとしたアーキテクチャの活用はユーザーの学習効果も期待できる」と述べました。

 

西村氏は誹謗中傷を受けた際の体験、また自らが批判的なコメントを書き込みたいと感じたときの実体験を基に、悪意のあるコメントから距離を置く、攻撃的なコメントをする人達が本当は何を考えているのか、幸せを感じているのか等の背景を考える、否定的なコメントをする人がいれば応援してくれる人もいるということも覚えておく、といったデジタル暴力に対処する際の心構えを紹介しました。人を傷つけるコメントを書いているユーザーにどのような働きかけができるかとの質問に対しては「そうしたコメントを気に病むより、さらに努力して自分が成長し、自身がハッピーでいることを心がけています」というコメントが寄せられ、様々な角度から議論がなされました。

 

 

牧島かれん デジタル大臣 (左)  黄川田仁志 衆議院議員・国際人口問題議員懇談会(JPFP)事務総長(中央)、林伴子 内閣府男女共同参画局長(右)

 

左からUNFPA駐日事務所長の佐藤摩利子、西村宏堂氏、山口真一氏

 

また、UNFPA駐日事務所 所長補佐の上野より、キャンペーン賛同者である衆議院議員・国際人口問題議員懇談会(JPFP)会長 上川陽子氏、外務省 国際協力局 地球規模課題審議官 小野啓一氏、NPO法人 RememberHANA 代表理事 木村響子氏(木村花さん母)からのメッセージが紹介されました。

 

衆議院議員・国際人口問題議員懇談会(JPFP)会長(左)、外務省 国際協力局 地球規模課題審議官 小野啓一氏(中央)、NPO法人 RememberHANA 代表理事 木村響子氏(木村花さん母)(右)からのメッセージ

 

イベントの後半では、会場参加者、オンライン参加者から寄せられた質問に回答するなど、デジタル暴力の撲滅に向けた建設的なディスカッションが行われました。

さらに、参加者に向けて「#STOPデジタル暴力」のハッシュタグを使ってのSNS上でのデジタル暴力撲滅に向けた発信を呼びかけました。

 

国際人口問題議員懇談会(JPFP)会長 上川陽子氏からのメッセージを紹介するUNFPA上野(右)

 

最後に、#STOPデジタル暴力 キャンペーンの共催団体である日本医療政策機構(HGPI)の マネージャー 今村優子氏より閉会の挨拶とともに、日本の若者を対象としたリプロダクティブヘルス・プラットフォーム「Youth Terrace(ユース テラス)」の運営をはじめ、若者がリプロダクティブ・ヘルス/ライツに関する自己決定ができる社会を構築するための取り組みについて説明がありました。

閉会の挨拶をする今村氏

 

今年の「ジェンダーに基づく暴力に反対する16日間」の幕開けとして、大変意義のあるイベントになりました。

 

なお、イベントの全編アーカイブは、こちらのリンクからご覧いただけます。

【メディア紹介】

1123日「朝日新聞 論座」なぜ女性がオンライン暴力の被害に遭いやすいのかなどが詳細に記されています。詳しくはこちら

1125日「NHK首都圏ニュース」イベント参加者のコメントなどを含む記事全文はこちら

123日「週刊金曜日」