2022年3月15日、ブルキナファソ
ブルキナファソは、人口に占める若者の割合が大きい国です。国立統計人口研究所(INSD)のデータによると、10歳から24歳までの若者は、2020年時点で729万2342人と人口の3分の1を占めています。若者人口の性交年齢が早く、出生率が高いのも特徴です。15~19歳の約8%(7.7%)が15歳以前に性行為を経験しています。しかしながら、15~19歳の少女の12.6%、20-24歳の若者の21.6%しか避妊をしていません。このように、ブルキナファソの少年少女と若者は、リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)サービスへのアクセスという点で課題を抱えています。
こうした課題に取り組むために、国連人口基金 (UNFPA)は ブルキナファソで「若者の性と生殖に関する健康・権利の強化支援プロジェクト」を実施しています。日本政府の支援によるこのプロジェクトは、少年少女と若者のリプロダクティブ・ヘルスに関する情報とサービスへのアクセスを強化することを目的としています。
若者たちの質の高い情報・サービスへのアクセスを改善
少年少女と若者たちにとって、リプロダクティブ・ヘルス関連の質の高い情報とサービスへのアクセスを向上させる革新的な手段の一つに、モバイルクリニック(移動診療所)があります。これを活用することで、家族計画を含む包括的な情報とサービスを若者たちに提供することができます。モバイルクリニックには、医療機器が完備されています。(診察を受けるなどして)モバイルクリニックを出るまでに、学校生活での望まない妊娠、月経衛生管理、HIVを含むスクリーニング検査など、リプロダクティブ・ヘルスに関する知識を得て、利用者の意識向上を図ることができます。
責任ある行動をとるための新しい知識
啓発セッションに参加した学生たちにとって、モバイルクリニックの訪問は、リプロダクティブ・ヘルスについてより深く学び、親には言えない悩みなどを相談する機会となっています。そうした学生のひとり、ファリダは「今朝の啓発セッションはとても役に立ちました。自分の健康をどのように管理すればよいかがわかりました。今日から責任を持って行動します」と話しました。この移動診療所のおかげで、リプロダクティブ・ヘルスに関する有益な情報やアドバイスを得ることができたフォリダのような生徒はたくさんいます。
また別の学生キャロルは、啓発セッションで学んだことを同級生たちにも伝えたいと話していました。「何もしないのが最も安全な方法だと思いますが、それができない人たちには、望まない妊娠やHIV/AIDSなど性感染症を回避することができる避妊具を使うようにアドバイスします」
モバイルクリニックでの活動後も、若者たちは「ユースHQプラットフォーム」(www.qgjeune.org)に登録したり、無料相談ができる3005に電話したりすることで、リプロダクティブ・ヘルスについての質問や懸念を解消したり、さらに知識を深めたりすることができます。
日本政府の支援:すべての人にリプロダクティブ・ヘルス・サービスを
モバイルクリニックの活動は、少年少女と若者たちにとって、質の高い情報を得る権利を含め、リプロダクティブ・ヘルス・サービスに普遍的かつ公平にアクセスできる権利の促進に寄与しています。
日本政府の支援によるブルキナファソでの「若者の性と生殖に関する健康・権利の強化支援プロジェクト」は、シカ・カボレ ブルキナファソ大統領夫人が代表を務めるKIMI財団、ブルキナファソ家庭福祉協会(ABBEF)、国際協力NGOジョイセフ(JOICFP)と共同で、セントラル地方(カディオゴ県ボゴドゴ郡とサイ・ノギン郡)、セントラル・ウエスト地方(サンギエ県レオ郡とブルキアンデ県サブ郡)で実施されています。
日本政府はこのプロジェクトを通じて、10代の望まない妊娠、児童婚、女性器切除(FGM)の削減、および、女子の中等教育修了率の向上といったブルキナファソ政府の取り組みを支援しています。
本文は当該記事をUNFPA駐日事務所にて独自に翻訳・編集したものです。