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どんなことがあっても、娘だけは学校に!―トルコに暮らすシリア難民女性のストーリー

どんなことがあっても、娘だけは学校に!―トルコに暮らすシリア難民女性のストーリー

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どんなことがあっても、娘だけは学校に!―トルコに暮らすシリア難民女性のストーリー

calendar_today 20 8月 2021

児童婚、早婚、強制婚は、世界中で女性のからだの自己決定権を侵害し続け、健康や教育などの基本的な権利へのアクセスを妨げています。現在、約400万人という世界最大の難民人口を抱えるトルコでは、シリア人女性と少女が最も弱い立場にあり、児童婚の危機にさらされています。この有害な慣習は健康や教育へのアクセス、経済的・社会的エンパワーメントの面でシリア人女性と少女に影を落とすだけでなく、ほかの女性たちにも悪影響を及ぼしています。

トルコ・イズミル:レイハンさんとハセルさんは有害な慣習を経験した女性たちです。彼女たちがたどった長い道のりとその先にあったものは、同じような困難を経験した、あるいは経験しているすべての女性たちに力とインスピレーションを与えてくれるでしょう。

レイハンさんが結婚したのは15歳の時。同じ年に第一子を出産しました。結婚をしたいとは思っていませんでした。夢は学校に通って勉強をすることでした。5年前に家族と一緒にシリアからトルコに移住し、現在はイズミルに住んでいます。残念ながら、トルコでも家事や育児に追われ、夢を叶えることはできませんでした。

24歳になったレイハンさんは、国連人口基金(UNFPA)のブルト・オンジュ・ユース・センターを初めて訪れた日から、彼女の人生で児童婚がいかにダメージを与えてきたかをはっきり自覚するようになったと話しています。

「まずはじめに、病院への予約や衛生用品の購入などのサポートを受けました。3人目の子どもを妊娠した時には、センターの産前ケアや家族計画のカウンセリングサービスの恩恵を受けました。しかし、私が最も感銘を受けたのは、ジェンダー(平等)、ジェンダーに基づく暴力、女性の権利、児童婚に関するトレーニングです」と話すレイハンさん。

「私は子どもの頃に結婚しました。今では自分が何を経験してきたのかわかっています。結婚した時、私は身体的にも心理的にも準備ができていませんでしたが、拒否することはできませんでした。私は学校に行きたかったのですが、シリア紛争と、私に勉強をさせたくない家族が原因で、それができませんでした。研修で学んだ十代の妊娠の弊害は、私がまさに経験してきたことです。まだ24歳ですが、まるで50歳になったような気分です」

レイハンさんは有害な慣習が彼女の人生にいかに影響を及ぼしたかについて話し、さらにこう付け加えました。

「お医者さんには、もう子どもを産んではいけないと言われました。実際のところ、子どもたちの世話をするのは非常に大変なことなので、これ以上子どもは望んでいません。しかし、社会は私にもっと子どもを産むことをを期待しています。研修でジェンダー平等やジェンダー・ステレオタイプについて学んだときに、このことがよくわかりました」

レイハンさんは、ユース・センターでトレーニングを受けたことで、自分も娘も強くなれたと感じています。彼女の一番の夢は、娘に勉強をさせること。「どんなことがあっても、娘だけは学校に通わせます。そのために、トルコでより多くのサポートを受けられることを知っています。私が経験してきたことと同じことを、娘には絶対にさせたくありません」

21歳のハセルさんは、レイハンさんと同じように、若くして結婚し、子どもを産んだシリア難民のひとりです。家事や育児に明け暮れるハセルさんにとっても、今回の研修は心に響いていました。女性の権利について学ぶことは、自分のためにも、娘が強い人間に成長するためにもとても重要と語るハセルさん。特に女性の経済的エンパワーメントについての考え方が、研修後に大きく変わったと言います。

「このセッションで学び、私の人生観が変わりました。これまでジェンダー平等について考えたことなどありませんでした。トルコでこうした問題が重視されていることを嬉しく思います。女性の権利について学べたことは、私の人生にとってとても意味のある出来事でしたし、私の娘にとっても同じだと思います。特に印象深いのは、ビジネスにおける女性の地位と権利についてです。私たちは経済的に困っていましたが、仕事を探すことなど考えたこともありませんでした。今回の研修を受けて、『男性しか働けない』という考えを払拭することができました」

ハセルさんは今、働くことを考えています。自分の権利を知り、自分に自信も持てるようになったからです。「仕事をすることで自分に与えられた権利を知ることができ、何かが起こった時にはどう対処すべきかを学ぶことができます。いつか家族を養うことだってできるはずです」

日本政府のサポートを受け、UNFPAトルコ事務所が Young Approaches in Health Association(Y-Peer Turkey)と協力して実施している「若年難民支援プロジェクト」は、アンカラ、ディヤルバクル、ハタイ、イズミルにユース・センターを設置し、ハセルさんやレイハンさんのような多くの難民の若者を支援しています。このセンターでは、啓発活動、トレーニング、心理社会的サポート、病院へのリファラルと性と生殖に関する健康を中心としたヘルスケア、社会的保護のためのカウンセリングサービスが提供され、若者のエンパワーメントと社会的統合のための活動も行われています。

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