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国連が発表した2050年の世界人口予測は、カップルが家族のサイズを自由に決める権利を行使する手段を緊急に持つ必要性のさらなる警告である、と国連人口基金(UNFPA)事務局長トラヤ・A・オベイドは語った。

今日国連人口部から発表された「世界の将来人口推計」の2006年度改訂版(World Population Prospects: The 2006 Revision)は、世界人口は現在の67億人から25億人増加して2050年には92億人にまで達すると予測している。この予測は、開発途上国で出生率が減少し続けることを前提としている。もし現在の出生率が維持されたままだとすると、開発途上国の人口は(出生率が減少するとの想定に基づく)79億人ではなく、106億人にまで達するため、2050年までに50億人増加し、世界人口は120億人近くにまで達すると予測されている。

「現在、約2億人の女性が安全で効果的な避妊方法を利用出来ていない状態です。そういった女性のニーズに応えるため、また、世界の未来を決定するためだけではなく、望まれない妊娠を防ぎ、妊産婦・乳幼児死亡率を削減するために、家族計画への資金援助を増大するべきです。」と事務局長は語った。

また事務局長は次のように述べた。「この予測は、2005年の世界首脳会議に参加した各国首脳に、2015年までに家族計画を含めたリプロダクティブ・ヘルス関連のケアやサービスを誰もが享受出来るようにし、望まれない出産から女性を解放し貧困が削減されるよう女性のエンパワーメントを行なうという公約の達成を再度確認するよう促すものです。専門技能者の立会いの下での出産や緊急産科ケア、HIV/エイズなどの性感染症の予防・治療など、包括的なリプロダクティブ・ヘルスサービスの利用を拡大するため協力し合わなければなりません。」

「世界の将来人口推計」では、人口高齢化やその他ほとんどの先進国で見られる傾向についての予測も行っている。

事務局長はさらに以下のように続けた。「人口高齢化は、平均寿命が伸びたことが原因の一つとなっている20世紀の現象です。また、史上最大規模に膨れ上がっている若者人口とも重なっています。課題としては、特に開発途上国での高齢者のニーズと若者のニーズに同時に対応しなければならないということがあります。」

「極端な少子化に悩んでいる経済的に豊かな国々は、仕事と家庭の両立を可能にするファミリー・フレンドリー政策の導入に成功した近隣諸国を見習うべきです。フレックスタイム制や育児休暇、保育サービスの提供など、1994年の国際人口開発会議(ICPD)で推奨されている方策などが挙げられます。男性にとっても女性にとっても仕事と家庭の両立が可能な環境を整備する必要があります。誰しも、どちらか一方しか選ぶことが出来ない状況に追い込まれるようなことがあってはなりません。」