国連機関からのリベリアに対する緊急援助のアピールの一部として、国連人口基金(UNFPA)は、戦争によって破壊された国のリプロダクティブ・ヘルス・サービスのために、190万米ドルを提供するように拠出国に要求した。
国連人口基金 リベリア事務所代表のデジ・ポポーラ(Deji Popoola)氏は、「女性は、出産における合併症により不必要に亡くなっており、子どもは不衛生な路辺で生まれている。戦争と社会事業の一般的な崩壊により、安全な血液供給と、性感染症治療のために必要な薬が深刻に不足している。」と述べている。
平和維持軍のリベリア到着と同時に、国連本部の人道的活動は、リベリア人が首都モンロビア周辺で過熱している内戦によって崩壊した社会事業や秩序に対処していくための援助として690万米ドルのジョイント・アピールをはじめた。
モンロビアには450,000人の流民がいると推定されており、紛争が過熱した6月以前と比べるとおよそ倍の数となっている。混雑した不衛生な場所、食糧、水、薬および他の基本的な必需品が不足するという深刻な状況に直面している地域では、流民は可能なかぎりのシェルターを求めている。多くの市民は、混雑した都市での無差別な砲撃により死傷している。
昨年11月、人道的活動はリベリアに対して427万米ドルの懇願(アピール)をしたが、食糧援助以外の分野で要求された基金の22%以下のみの受け取りとなった。この懇願(アピール)は、人道主義の必要性の増加にともない修正されたが、安全が確保されはじめると、現在の不安定な状況下でも試行される事業を網羅している。
国連人口基金は、現段階として、安全な輸血の供給、清潔な住居、分娩キット、基本的な薬を提供するために20万米ドルを要求している。次段階としては、 HIV予防と貯蔵品のために170万米ドルを期待している。例えば、緊急産科ケアのための援助品、性暴力の被害者や性感染症の治療、医療従事者のトレーニング、家族計画情報・サービス、リプロダクティブ・ヘルス・ニーズの評価やプログラムのモニタリングヘルス・サービス・プロバイダーなどに充てる資金が挙げられる。
ポポーラ氏は、「国連人口基金は、交戦が止まれば、産科・婦人科ニーズのための設備や物資を支援する活動を再開するでしょう。また我々は、クリニック、病院、マタニティ病棟を設置したり、衛生的で清潔な環境で分娩が行われることや人々が薬を入手できるような状態を保証するために、他の関連団体と連携をとって活動して行く予定です。」と述べている。