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国際エイズ会議がメキシコの首都メキシコ・シティで開催された。3日の日曜日に、国連人口基金(UNFPA)事務局長トラヤ・A・オベイドは、共同議長としてユニフェム(UNIFEM)事務局長イネス・アルベルディ氏と共に、ジェンダーに基づく暴力HIV/エイズの関連性についての分科会に参加した。国連人口基金事務局長は、ジェンダーに基づく暴力HIV/エイズの原因であると同時に、その結果となっていると訴えた。

分科会に参加したパネリストはHIV/エイズ感染とジェンダーの不平等を対照・分析する方法として、インド、メキシコ、ニカラグアや南アフリカをはじめとする各国のプログラムや研究、政策を紹介した。医学的・社会的エイズ禍への効果的な対応策として、予防努力へ男性の参画を進める必要性が強調された。

戦時下だけでなく、平和な時であっても、ジェンダーに基づく暴力をの犠牲となる女性は多い。「家庭内暴力(DV)、性的虐待、人身売買、戦略としてのレイプについて議論する必要があります。女性に対する暴力は、ジェンダーの不平等を示す、最も残酷な証拠です」と、事務局長は述べた。

強さ、攻撃性、性的に優位であること、危険に立ち向かうことが男らしいとされていることが、結果として男性のHIV感染率の上昇につながっている。具体的な例としては、何人もの相手と性交渉をもったり、ドラッグやアルコールの摂取、また性感染症に対し医学的な治療を受けないことなどがあげられる。

研究により、ジェンダーに基づく暴力の被害にあった女性の方が、被害を受けたことのない女性に比べてHIV感染率が高いことが判明している。女性に対する暴力は、HIV/エイズの予防策への妨げとなっている。暴力の被害にあっている女性は、HIV検査を受けることができず、予防対策を行ったり治療を受けることが難しい。つまり彼女たちは、自分の健康と将来について、十分な情報を得た上での判断をすることができない。被害者の女性たちは、男性と交渉することを恐れ、コンドームの使用を求められないことが多いという。

「本日この場に私たちが集い、HIV/エイズジェンダーに基づく暴力の問題について検討する場が設けられたことは、重要な意味を持ちます。HIV/エイズへの対策を強化するには、これまでに得られた教訓を共有する必要があるのです」と事務局長は締めくくった。

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