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7日 2009 年「世界人口デー」記者会見「経済危機とお母さんの命」 [東京]

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イベント

7日 2009 年「世界人口デー」記者会見「経済危機とお母さんの命」 [東京]

calendar_today 07 7月 2009

location_on:日本記者クラブ 10 階ホールB

日時:2009 年7 月7 日(火) 15:00~16:00
場所:日本記者クラブ 10 階ホールB
主催:国連人口基金東京事務所、(財)ジョイセフ、人口問題協議会

 

7 月11 日の「世界人口デー」を前に、7 月7 日(火)、国連人口基金東京事務所は、ジョイセフ、人口問題協議会とともに、「世界人口デー」記者会見を実施しました。

国連人口基金は、経済危機を背景に、今年の「世界人口デー」のテーマを“Responding to the Economic Crisis: Investing in Women is a Smart Choice.(賢い選択:女性に投資し、経済危機に対応する)”と設定しました。

本記者会見では、「経済危機とお母さんの命」をテーマに、勝間和代氏と東京事務所長の池上が対談しました。経済危機が妊産婦や女性にもたらす影響について、池上がデータをもとに解説しながら、勝間氏にご自身の体験談や意見を交えながらお話頂きました。

 

スーダンの現状を説明する勝間氏

勝間氏は、ご自身が関わっていらっしゃるChabo!の事業視察で訪問したスーダンで見た途上国の貧困や女性の置かれた現状や、また勝間氏の専門である経済的な視点から女性に投資することの重要性や具体的な事例についてご紹介頂きました。

最後に明石康氏が、途上国の現場におけるミクロ的な支援に加えて、政府などによるマクロ的な支援の両方の重要性を指摘し、日本政府に対し途上国の妊産婦の健康改善へ向けた更なる支援を求めました。

また、世界で50億人目の赤ちゃんはユーゴスラビアで生まれ、60億人目はボスニア・ヘルツェゴビナという2つの紛争地帯で生まれたことに言及し、「70億人目の赤ちゃんが生まれる頃には、紛争のない世界であってほしい」という言葉で記者会見を締めくくりました。

※「世界人口デー」とは:毎年7 月11 日。1987 年7 月11 日に世界人口が50 億人に達したことを記念して、1989 年に国連が制定。世界の人口問題に対し、関心を深めてもらうことを意図している。

【実施概要】
日時:2009 年7 月7 日(火) 15:00~16:00
場所:日本記者クラブ 10 階ホールB
主催:国連人口基金東京事務所、(財)ジョイセフ、人口問題協議会
テーマ:「経済危機とお母さんの命」
発表者:明石 康 (ジョイセフ・人口問題協議会会長、元国連事務次長)
     勝間 和代(経済評論家、公認会計士)
     池上 清子(国連人口基金(UNFPA)東京事務所長)

「世界人口デー」記者会見:参加報告

7 月7 日(火)に行われた国連人口基金(UNFPA)の「世界人口デー」記者会見に、模擬国連会議全日本大会運営事務局から事務総長の高内と渉外担当の岡田の2 名で参加しました。当記者会見はUNFPA 東京事務所が現在、実施している「お母さんの命を守るキャンペーン」の一環で行われました。第21 回模擬国連会議全日本大会もこのキャンペーンに協力しています。

記者会見では、まず池上所長から昨今の経済危機が開発途上国へ与える影響がどのようなものか、お話がありました。ミレニアム開発目標では、世界の貧困を半減することが目標として掲げられていますが、経済危機の影響によって1 日1.25 ドル以下で生活する人が5500 万人増えると予想されています。昨今の経済危機と言うと、アメリカのサブプライム問題や日本の景気のことばかりが連想されますが、開発途上国が置かれているより深刻な状況に驚かされました。

次に、南スーダンを視察した経験のある経済評論家の勝間和代氏が見た開発途上国における女性の現状についてのお話がありました。勝間氏の実体験や経済評論家としての視点を通じた意見は非常に目新しいものが多くありました。特に印象的だったのは、女性たちと会話をするときに「if」を使った会話が困難であったというお話でした。女性たちは、学校で十分な教育を受けられないために、単純な会話は可能でも、抽象的な話や仮定の話をすることが困難であるそうです。開発途上国では「食事の前に手を洗えば、感染症の予防ができる」とか、「避妊具を使用すれば、HIV/AIDS の予防ができる」といった衛生教育が重要ですが、開発途上国での衛生教育が予想以上に困難であることを改めて考えさせられるエピソードでした。

また、女性へ投資し、母親の教育レベルが向上することによって、家庭教育の水準が上がることは、将来世代の若者を育成するために重要であるというお話がありました。しかし、開発途上国では女性に対する投資が十分になされず、女性の置かれる状況はますます悪化していく悪循環があり、それが開発途上国の発展のボトルネックとなっていることが指摘されました。勝間氏の「女性へ投資することは将来世代への投資でもある」という説得力のある指摘に納得し、このように女性に対する投資の意味やメリットをあらゆる面から認め、多くの人が知っていくことが女性への投資に直接つながると感じました。

人口問題というと「人口爆発」や「少子化」など漠然としたイメージを抱いていましたが、人口問題はマクロであると同時にミクロな問題でもあると感じました。開発途上国では妊娠や出産といった生命の営みの中でお母さんが命を落としていく現実があり、これに対処するには病院や学校を建てるといった援助だけでなく、お母さんたち一人ひとりの権利や尊厳を保障する必要性を周りの一人ひとりが認識することが非常に重要です。また、先進国の少子化問題も、お母さんたちが自分の生き方を自由に選択できる社会をつくることが重要であり、この点で開発途上国の女性の問題と共通するところがあると思いました。

妊産婦の死亡率を引き下げるという大きな目標を達成するためには、一人ひとりの女性たちの生活へアプローチして問題を一つひとつ解決する、地道で時間のかかる努力が必要です。「私たち学生にできることはなんでしょうか」という質問に、池上所長と勝間氏は、海外でのボランティアに参加することも、政府の政策への意見を考えることも、学生のエネルギーや時間を使えばできることはたくさんあるというアドバイスを下さいました。

開発援助の主体としてすぐに連想するのは政府や国際機関ですが、NGO や企業が様々な形で国際協力に参加するように、学生にも学生としての参加の方法があると感じました。子どもに衛生教育をする際に使う人形を作って現地に送ることも、援助のためのお金を人形作成に使うことは難しいために、非常に役に立つことであると勝間氏がおっしゃったように、「そんなことが役に立つのか」ということでも、現場で非常に役に立つことがあると思います。そのような場面でこそ、学生の力は発揮されると感じました。

高内悠貴(Yuki TAKAUCHI)
第 21 回模擬国連会議全日本大会 事務総長