東京大学大学院医学系研究科・「国際地域保健学特論」という講義で、所長の佐崎はミャンマー、ベトナム、インドネシア、マレーシア、ネパール、アメリカ、中国からの留学生を含めた計21名の修士課程・博士課程の学生に向け、「Gender and Health」と題した講義を3時間にわたり英語で行いました。
佐崎は、国連人口基金の役割を紹介した後、日本の「晩産化・未婚化」「少子高齢化」を含めた世界の人口問題、ミレニアム開発目標(特にMDG5 妊産婦の健康の改善)、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、HIV/AIDS、またこれらの分野における国連人口基金の活動事例等について説明をしました。
講義全体を通し、各コミュニティに根強く存在しているジェンダーに基づく暴力や経済的差別、性と生殖に関する健康(SRH)に関する不公平、そして有害な伝統的慣習が女性や少女たちの立場をより貧弱なものにし、またHIV/AIDSの女性化を助長していると佐崎が指摘し、それらの課題解決のために、リプロダクティブ・ヘルス(RH)や家族計画を含めた全ての開発プログラムが積極的に男性の共同参画を進めるものであり、ジェンダー・バランスを重要視したものでなければ成功しえないという事をUNFPAの活動事例であるニジェールの「夫の学校」を用いて説明しました。
毎日、800人以上のお母さんが妊娠や出産が原因で命を落としているという事実、また2012年世界で約8000万ある意図しない妊娠のうち約4000万が人工中絶されたという事実が、受講生たち関心意識を深く惹き付け、受講生からは講義内容の様々な要点に対しての有意義な質問が講義終了後にも続きました。