運営・財政
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世界の国連人口基金
国連人口基金(UNFPA)は、ユニセフ(UNICEF)や国連開発計画(UNDP)のような国連(国際連合)の専門的な機関であり、世界各国(おもに開発途上国)で活動しています。本部は米国のニューヨークにあります。各国レベルの事務所は、開発途上国で支援プログラムを実施する「カントリー・オフィス」、および支援国(資金拠出国)に置かれ、広報やアドボカシー、支援促進を主な業務とする「連絡事務所」の二種類があります。東京事務所は「連絡事務所」の一つです。
- 本部(Headquarters)
本部は、米国のニューヨークにあります。国連人口基金の活動全体の統括、調整、政策策定、広報活動などを行っています。 - 地域事務所(Regional Office)
地域事務所は、2017年現在、6つの地域(南アフリカ・ヨハネスブルグ、セネガル・ダカール、タイ・バンコク、エジプト・カイロ、トルコ・イスタンブール、パナマ・パナマシティー)に置かれています。管轄する地域内の組織や政府間で戦略的なパートナーシップを築きあげたり、他の国連機関と協力し、効率的な政策対話や事業立案が確実に行われるように活動を行っています。 - サブ地域事務所(Sub-Regional Office)
サブ地域事務所は、2017年現在、3つのサブ地域(ジャマイカ・キングストン、フィジー・スバ、カザフスタン・アルマティ)にあります。管轄するサブ地域内の技術支援の要として、地域事務所に置かれている専門家システムに加えて、カントリー・オフィスを支援するための専門家を置き、地域コミュニティ、市民社会、国内組織、政府などとの政策対話を行っています。 - カントリー・オフィス(Country Office)
カントリー・オフィスはその国の政府やパートナーNGOなどと連携し、国別プログラムを実施します。2014年現在、123カ国に置かれています。 - 連絡事務所(Liaison Office)
国連人口基金への主な支援国に対して、情報提供を行い、政府および市民とのパートナーシップを深めるため、現在6カ国(日本・東京、スイス・ジュネーブ、ベルギー・ブリュッセル、米国・ワシントンD.C.、デンマーク・コペンハーゲン、エチオピア・アディスアベバ)に置かれています。国連人口基金東京事務所は、この連絡事務所の一つです。
国連人口基金は、これらの事務所を通じて、2018年時点で、約155の国と地域で支援活動を実施しています。職員数は2,784人です。
より詳しい情報は、UNFPA本部サイトのUNFPA Worldwide (英語)からご覧いただけます。
国連人口基金 執行理事会(UNFPA Executive Board)
国連人口基金の活動の基本方針を決定しているのは、36人の執行理事で構成されている執行理事会であり、国連開発計画(UNDP)、国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS)と合同で運営しています。これは、国連総会や国連経済社会理事会での政策指針、そして国際連合憲章によって定められた各機関の責務に則り、政府間の支援を行い、国連人口基金の活動を監督する役割を果たします。世界各国、特に人口問題対策が急務の国々がバランスよく含まれるよう、アフリカ諸国から8名、アジア・太平洋諸国から7名、東欧諸国から4名、中南米諸国から5名、そして欧米などの先進国から12名が任命されます。国連人口基金執行理事会は、国連経済社会理事会(ECOSOC)の監督下に置かれています。
国連人口基金 執行理事会(UNFPA Executive Board)
議長: H.E. Mr. Jagdish D. Koonjul (モーリシャス)
副議長: Mr. Chull-joo Park (韓国)
副議長: H.E. Mr. Besiana Kadare (アルバニア)
副議長: H.E. Mr. Tumasie Blair (アンティグアバーブーダ)
副議長: H.E. Mr. Dominique Favre (スイス)
アフリカ諸国:
バナン、ブルキナファリ、カメルーン、チャド、エジプト、マラウィ、モーリシャス、ウガンダ
アジア諸国:
カボジア、中国、イラン、ラオス、韓国、サウジアラビア、サモア
ラテンアメリカ・カリブ諸国:
アンティグア・バーブーダ、ブラジル、キューバ、ハイチ、パナマ
東ヨーロッパ諸国:
アルバニア、ベラルーシ、モルドバ、ロシア
西ヨーロッパ諸国・その他の諸国:
カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、アイルランド、日本、ルクセンブルグ、ポルドガル、ノルウェー、スイス、英国、米国
国連人口基金の財政
<収入>
国連人口基金は、国連に加盟している各国からの資金拠出を主な財源とし、他に財団やトラスト(公益信託)、企業や個人からの寄付、利子収入などの収入があります。
各国からの資金拠出は「一般拠出金」と「指定拠出金」に分類され、一般拠出金は年次計画に沿った通常の支出(国別プログラム実施費用、国連人口基金の組織運営費用など)に利用されます。これに対し、指定拠出金は拠出国が活動内容や地域などを指定した上で拠出するもので、紛争や自然災害などの被災者や地域への支援を対象としています。最近では、シエラレオネ、パキスタン大地震被災地、インド洋大津波被災地の支援復興プログラムが行われています。
2018年支援国上位10カ国(一般拠出額)
単位:千米ドル
(出典:国連人口基金年次報告書 2018)
順位 |
国名 |
一般拠出金 |
1 |
スウェーデン |
83,039 |
2 |
ノルウェー |
63,767 |
3 |
オランダ |
37,500 |
4 |
デンマーク |
37,061 |
5 |
英国 |
25,510 |
6 |
ドイツ |
25,190 |
8 |
フィンランド |
20,000 |
9 |
日本 |
18,961 |
10 |
スイス |
15,952 |
2017年支援国上位10カ国(合計拠出額)
単位:千米ドル
(出典:国連人口基金年次報告書 2017)
順位 |
国名 |
合計拠出金 |
1 |
国連間 |
163,979 |
2 |
英国 |
127,661 |
3 |
カナダ |
116,860 |
4 |
ノルウェー |
63,732 |
5 |
欧州委員会 |
63,630 |
6 |
オランダ |
55,492 |
7 |
オーストラリア |
51,252 |
8 |
デンマーク |
46,398 |
9 |
スウェーデン |
22,675 |
10 |
カメルーン |
19,002 |
活動分野別プロジェクト支出(一般拠出財源):2018
単位:百万米ドル
(出典:国連人口基金年次報告書 2018)
活動分野 |
(百万米ドル) |
(割合) |
セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス |
512.5 |
49.5% |
若者 |
73.2 |
7.1% |
ジェンダー平等と人権 |
162.6 |
15.7% |
開発データ |
112.1 |
10.8% |
組織運営関連費 |
174.5 |
16.9% |
地域別プロジェクト支出(一般拠出財源):2018
単位:百万米ドル
(出典:国連人口基金年次報告書 2018)
地域名 |
2017年 |
割合 |
東・南アフリカ諸国 |
204.9 |
19.8% |
西・中央アフリカ諸国 |
165.2 |
16.0% |
アラブ諸国 |
183.1 |
17.7% |
アジア・パシフィック諸国 |
143.5 |
13.9% |
ラテンアメリカ・カリブ海諸国 |
95.8 |
9.2% |
東欧諸国及び中央アジア諸国 |
51.4 |
5.0% |
グローバル・地域的介入 |
13.6 |
1.3% |
グローバル活動 |
177.4 |
17.1% |
合計 |
1,034.9 |
100% |
(出典:国連人口基金年次報告書 2018)