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家族計画、人々の可能性を活かし、国を豊かにするために。

7月11日「世界人口デー」に寄せて

毎日、脆弱な立場に置かれている女性、特に貧しい難民の女性たちは、社会的、経済的、そして地理的な障害のために自発的な家族計画に関するサービ スや情報を享受できずにいます。

50年前の今日、当時の国連事務総長が国連人口基金(UNFPA)を信託基金として設立しました。実質的に活動を開始した1969年以降、 UNFPAは家族計画に関するあらゆる障害を取り除き、女性たちが自らのリプロダクティブ・ライツを行使できるよう支援してきました。また、近代的な避妊具・避妊薬の普及を世界中で進め、1970年に36%だった普及率も2016年にはおよそ倍の64%にまで改善することができました。

しかし、このような大幅な改善が見られる一方で、深刻な問題も未だ残っています。開発途上国に住むおよそ2億1400万人の女性は未だ、安全で効果的な家族計画の方法を知りません。これらの女性たちの大半は、世界で最も貧しい69の国に住んでいます。こうした女性たちの満たされていない ニーズに応えることができれば、6700万の意図しない妊娠を防ぎ、年間303,000件ある妊産婦死亡を3分の1まで減らすことができます。

自発的な家族計画を含む、より良いリプロダクティブ・ヘルスを促進させることで、女性の地位向上が進み、多くの女性が教育を受けられるようになり、社会進出が進み、より多くの労働賃金を得られるようなります。その結果、貯金や投資が進み、経済の発展と持続可能な発展にもつながります。また、避妊具・避妊薬の普及に使われる1ドルは、出産に関する医療費を2.30ドル節約することができます。

家族計画への投資は、将来の世代を豊かにする鍵となるのです。

つまり、家族計画持続可能な開発目標(SDGs) の第1目標「貧困の撲滅」の達成に向けて、必要不可欠なものです。同時に、飢餓の撲滅、健康の促進、ジェンダーの平等など、他のSDGsの達成にも家族計画は重要です。

UNFPAは、現時点で満たされていない家族計画のニーズを2030年までに全て満たす、という野心的かつ斬新な目標の実現を目指しています。世 界人口デーの今日、UNFPAはこの目標の実現のために、すべての政府と関係団体の皆さんに協力を呼び掛けます。また同時に、国際人口開発会議 (ICPD/カイロ会議)で採択された行動計画に同意した179の政府に対しても、自発的な家族計画などの、性と生殖に関する健康への普遍的アクセスを実現させるよう働きかけます。この普遍的アクセスの実現は、人々の健康と権利を守るだけでなく、経済の発展に貢献し、人類の繁栄や発展にも貢献するのです。