持続可能な開発目標

 貧困の撲滅

目標1.あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる

開発途上国の国々では5人に1人が、一日1.25ドル以下で生活しています。その他何百万もの人々は、それをわずかに上回る生活をしていて、極貧状態に逆戻りするリスクにさらされています。健康状態の悪さと教育へのアクセスの不足は、どちらも貧困の結果でもあり、貧困の永続の原因でもあります。紛争や災害もまた、社会的と経済的な安定を弱体化させ、この悲惨な状況を生み出す一因となります。

国連人口基金は、各国政府、他の国連機関やパートナー機関と協力して、性と生殖に関する健康の問題が出産可能年齢の女性や少女の健康障害や死亡の主な原因になっている開発途上国において、リプロダクティブ・ヘルスケアの改善に取り組んでいます。妊産婦のための保健サービスや家族計画などのリプロダクティブ・ヘルスケアは、女性が自身の健康を守り、出産する子どもの数、時期、出産間隔を選択することを可能にします。これにより、彼女たちは勉学に励み、仕事をし、そして家族を貧困から救う機会を得るのです。

国連人口基金はまた、少女を学校から遠ざける児童婚のような有害な慣習の撲滅に取り組み、若者たちの保健医療、能力開発と職業へのアクセスを提唱しています。健康で、教育を受け、仕事に就きエンパワーされた若者たちは、自らの前途だけでなく、コミュニティの展望も明るくします。生産年齢人口が従属人口に対して増大している国は、若者をエンパワーすることで「人口ボーナス」という大規模な経済発展を実現できるでしょう。

国連人口基金はまた、緊急事態に巻き込まれている人々のリプロダクティブ・ヘルスのニーズに対応しています。国連人口基金は、世界の最も脆弱な人々が自らの権利を実現し、健康を維持し、機会を活用し、潜在能力を最大限発揮できるように支援をしています。

 飢餓の撲滅

目標2.  飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する

飢餓は、食事を供給したら解決するのではありません。慢性的な栄養不足は長期的な影響があり、次世代にまでその影響は及びえます。妊娠中の低栄養は、合併症を引き起こし、そして妊婦たちの将来の子どもに飢餓の悪影響が引き継がれる可能性もあるのです。

国連人口基金は、助産婦、ヘルスワーカーの研修と支援、そして妊娠中の女性と少女の栄養に関するニーズに対応する保健制度設計の支援を行っています。女性が保健システムに初めての接触である妊娠中の来院では、妊婦たちは正しい食生活についてのカウンセリングを受けることができます。国連人口基金が支援する出産直前の妊婦のための施設においても、栄養価の高い食事を供給しています。

 健康と福祉

目標 3.あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

この目標は、2030年までに、セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスケアへの普遍的なアクセスの達成、世界の妊産婦死亡率の削減、そして、エイズの撲滅を呼びかけています。リプロダクティブ・ヘルスの問題は、開発途上国の出産可能年齢である女性と少女の健康障害や死亡の主な原因となっているのです。

貧困の下にある女性は、望まない妊娠、危険な妊娠中絶、妊産婦の死亡と障害、性感染症(STIs)、それに関連する問題から過度に苦しみます。同じく若者も、リプロダクティブ・ヘルスの情報やサービスへアクセスが難しいことに加えて、不均等に高いHIV感染率にも直面しており、非常に脆弱な存在なのです。

国連人口基金は、家族計画、包括的な性教育、妊産婦への保健サービスを含む、セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)を推進する上での、主導の国連機関となっています。

国連人口基金は、様々なパートナーとともに、助産師の養成を含む保健システムの強化に取り組んでいます。助産師が適切な訓練を受けることで、妊産婦と新生児死亡の3分の2を防ぐことが可能となりうるのです。国連人口基金はまた、HIV感染予防と治療のプログラムをセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス・サービスに導入し、可能な限り利用しやすくする支援をしています。

 質の高い教育

目標 4. すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

世界中の約1億3百万人の若者は、初歩的な読み書き能力が不足しており、その60%以上が女性です。それに加えて、調査によれば、若者の大多数が、セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)に関する十分な知識がないために、性感染症、若年妊娠、多くの他の懸念に対して脆弱な状態になっているのです。

国連人口基金は、ジェンダー平等の推進をすると同時に、若者の教育と機会への投資にも各国政府と連携をしています。また、脆弱な若年女子に対し、読み書き、計算、人権と生活技能について教えるプログラムの支援を行い、若者に自身の体、健康と病気の予防について指導する包括的な性教育プログラムの開発と実施に協力しています。

女性及び女子が、自分の子どもの出産時期とその数を選ぶ能力を備えることで、学校に通い続けることも促すのです。

 ジェンダー平等

目標5. ジェンダーの平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う

女性は、男性に比べて貧困に陥り、教育と機会を奪われ、性的/家庭内暴力の犠牲になる可能性がはるかに高くなっています。目標5は、女性及び女子に対するいかなる形の暴力も排除し、ジェンダーに基づくいかなる差別も撲滅し、児童婚や女性器切除といった有害な慣習に終止符を打つことを呼びかけています。また、セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツへの普遍的なアクセスの確保を要求しています。

国連人口基金は、村落や学校から国全体の全ての階層において、ジェンダー平等を促進する政策やプログラムを支援しています。また、児童婚や女性性器切除(FGM)といった、少女の権利を侵害し、不平等を固定化する慣習を撲滅するため、世界中のパートナーと協力しています。そして、ジェンダーに基づく暴力の世界的な蔓延と闘うよう、男性や少年を含めたパートナーと密接に協力しています。

国連人口基金は、保健システムの強化や助産師の訓練、セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス/ライツについての教育の向上と地球上の多くの貧困地域において保健サービスを支援することを含めた、リプロダクティブ・ヘルス/ライツへのアクセスを推進する分野において国連の取り組みをリードしています。

 清潔な水と公衆衛生

目標6.すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

毎年、水不足と公衆衛生に関連した疾患から何百万もの人々が命を落とし、さらに多くの人人々は病気にかかっています。これらのニーズは特に深刻な緊急事態となり、女性や女子に必要とされる特別な衛生は、多くの場合に見落とされます。

国連人口基金は、災害や紛争地域において「Dignity Kit(尊厳キット)」の配布をしています。このキットは、生理用ナプキン、石鹸、下着、そして深刻な環境においてでも、女性と女子の健康、衛生と尊厳の維持に役立つ不可欠な供給品を含んでいます。

 ディーセント・ワークと経済成長

目標8 すべての人々に包摂的で持続可能な経済成長、雇用及び適正な職業を提供するよう推進する

世界中の若者は、適正な就労機会の不足や、就労機会改善への投資が不十分であることから苦悩しています。それにもかかわず、こうした若者世代の持つポテンシャルは素晴らしく高く、今は若者世代の人口がかつてないほどに多い時代です。世界の広範な地域で出生率が低下するなか、多くの発展途上国は「人口ボーナス」―扶養人口と比較して就業人口増加が勝る際に経済的生産性が飛躍的に伸びること―という稀有な機会に恵まれています。

しかし、この機会を最大限活用するためには、各国は適正な就労機会、教育投資の推進、十分な栄養とセクシュアル/リプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)サービスを含む保健サービスの提供を促進しなければなりません。国連人口基金(UNFPA)は市民社会、コミュニティー、政府を含む各パートナーと提携し、各国がそれぞれの人口ボーナスを活かすことができる政策を施策できるよう促します。

 格差の是正

目標10 各国内及び各国間での不平等を削減する

もし経済成長が包摂的でないのであれば、そのような経済成長は貧困削減へ十分に貢献しません。さらに、いくつかの評価指針によると、人々の間での不平等は増加しており、保健と教育サービスを享受するにあたり大きな不均衡が存在しています。

国連人口基金(UNFPA)は、経済の成長や開発の恩恵を享受出来ずに取り残されてしまった脆弱で貧困な人々やコミュニティーに働きかけます。このことは脆弱な女性や少女、何らかの障害を抱えている者、先住のコミュニティーに所属する者を含みます。UNFPAは、これまで手が届かなかった人々へ保健サービスを提供し、男女平等を促進するプログラムをサポートし、性差に基づく差別や暴力を終焉するよう提唱し、脆弱な移民のニーズに対処できるよう努力します。

 持続可能な街づくり

目標11 包摂的で、安全性、耐久性及び持続可能性のある都市を築く

世界の人口の半数以上は都市部に居住しており、都市部居住者人口は増加傾向にあります。都市部では教育、就労、健康福祉サービスを受ける機会が安定的に供給される傾向にありますが、こうした利益を享受できない若者は非常に多いのです。都市部居住人口の多くはスラムに住み、極度の貧困や排斥と闘っています。

国連人口基金(UNFPA)は、健康福祉サービスへのアクセスと都市スラムでの生活環境を改善することを含む、包摂的な都市作りを推進するようパートナーと取り組みます。UNFPAは都市化していくコミュニティーでの福祉の充実と持続可能性の向上を推奨し、人々のニーズに関するデータ集積を援助します。

 気候変動へのアクション

目標13 気候変動とその影響に対処するために緊急的な行動をとる

極端な天候、気候パターンの変化、海面の上昇や国家経済の破綻等、気候変動に起因する影響は全世界に及びます。こうした影響は日々悪化しています。温室効果ガスの削減や、気候変動の影響を和らげ適応するためには緊急的な行動が必要です。

国連人口基金(UNFPA)は、人口動態がどのように気候変動に影響を与えるか、こうした変化に対してどのように人々が耐性を高めることができるかについて理解を深めるために各国政府との取り組みを推進します。UNFPAは、政策施行者が脆弱な状態にある人々や彼らがどのような災害に直面する可能性が高いか一目で把握できる、デモグラフィック・エクスプロレーション・フォー・クライメート・アダプション(DECA)をパートナーと共同開発しました。こうした情報は、より持続可能性の高いインフラの整備や、災害リスクの削減を企図した政策の基礎を形作ります。

 平和、正義、有効な制度

目標16 公正で平和な、全ての人が共生できる社会を築く

公正と法の支配は社会が発展していく中で不可欠のものです。それにもかかわらず、多くの人々は公正性や法の観点から不当に扱われています。このことは特に人々が性暴力を含む暴力事件が増加する傾向にある有事の際に顕著に表れます。

国連人口基金(UNFPA)は、暴力からの生存者に対する政策やサービスを強化するように働きかけます。例えば、UNFPAは、性暴力の生存者を援助するサービスの強化や、女性や少女たちの司法サービスへのアクセスを改善するために、多くの国の警察や判事との取り組みを推進します。

 目標達成に向けたパートナーシップ

目標17 持続可能な開発のためにグローバルパートナーシップを活性化する

持続可能な開発目標を達成するには、政府、民間企業や市民社会とのパートナーシップを必要とします。こうしたパートナーシップは共通のビジョンや世界に対する理解の基に築かれなければなりません。目標17は「高品質、時宜に適い、信用できるデータの安定供給」の増加を目標としています。

国連人口基金(UNFPA)は、人口動態調査、健康調査等の大規模なデータ集積を伴う人口動態調査を実施する上で重要な役割を担い、データ解析やデータ解析結果の宣伝の技術的支援を行います。