現在地

2023年02月18日

2月6日に2度にわたってトルコ・シリアを襲った地震は、これらの地域に大きな被害をもたらしています。

UNFPAトルコ事務所によると、トルコでは2月10日時点で1万9000人以上が亡くなり、7万7000人以上が負傷したと伝えられており、建物の倒壊で下敷きになった人々の生存の可能性が低いことを踏まえると、死者数はさらに増加すると見込まれています。また、今回の地震で約1500万人が被災し、このうち約400万人は生殖年齢の女性で、さらに21万4000人は現在妊娠中であると推定されています。

トルコの隣国シリアでも、多数の死者・負傷者が出ています。UNFPAシリア事務所によると、2月9日時点で死者が3300人以上にのぼり、負傷者も7300人以上であることが報告されており、トルコ同様、死者・負傷者数は今後増加することが予想されています。また、今回被災した地域は、降雪や凍結といった厳しい気候の影響によって緊急対応を妨げられ、被災者の健康維持を困難にしています。さらに、電気や燃料の不足が原因で、病院でのサービス、ヘルスケア、ジェンダーに基づく暴力(GBV)への対応が十分に機能しておらず、セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス(SRH)などの基本的な社会サービスの提供を妨げています。

このような状況に対して、UNFPAはパートナーとともに、女性や少女、難民や移民、若者、高齢者、障がい者など、弱い立場にある人に対して、母子保健を含むSRH関連の物資やサービスへのアクセス、GBVからの保護を目的とした支援を提供しています。特に、被災地域において基本的な心理社会的支援(PSS)や心理的応急処置(PFA)を含むSRH/GBV対応サービスの支援を拡大しています。

UNFPAはこれらの活動を行うため、ドナー国に対して支援を要請しています。トルコではSRHおよびGBVサービスの緊急対応と復旧活動の開始を支援するための費用として1970万米ドルが必要とされています。また、シリアでは救命のためのSRHサービスの確保などに約1042万米ドル、GBVリスク低減のための対応などに約1439万米ドルの計2481万米ドルが必要です。

 

【トルコ・シリア地震で被災した女性と少女を救うためにー寄付のお願い】

UNFPA事務局長のナタリア・カネムは「UNFPAは、今回の地震で被災し、厳しい状況の中で出産を控える妊婦をはじめとする、支援を必要とするトルコとシリアの人々に対しての支援に尽力します」と述べています。
UNFPAは、被災地域で地震の被害状況を調査し、緊急人道支援活動を行い、女性と少女の健康とウェルビーイングに不可欠なサービスを復旧させることを最優先に活動を行っています。被災地域でさらに多くの女性と少女に支援を行うために、皆様からのあたたかいご支援をお待ちしています。寄付の詳細はこちらからご覧ください。

参考資料

UNFPA Appeal for Türkiye Earthquake Response

UNFPA Appeal for the Earthquake Response Across the Whole of Syria

2022年11月15日

『世界人口推計-2022年改訂版-(World Population Prospects, the 2022 Revision)』によると、2022年11月15日に世界人口は80億人に到達するとされています。

今後世界人口は、2080年代に約104億人でピークに達し、2100年までその水準が維持されると予測されています。

人口増加の半分以上がアジアやアフリカなどに集中しており、世界全体では人口増加は鈍化しているとみられています。これにより、生産年齢人口の増加につながり経済成長に寄与するとされる一方、今後新たに増加すると予測される10億人(80億人から90億人)の内4億人以上が65歳以上の高齢者である等、人口の高齢化が問題視されています。

UNFPAはこれらの人口動態に関する課題について、人口的解決が必要とは限らないと考えています。各国政府は人口問題に対処するために出生率などの数値に着目し政策を実施する傾向がありますが、こうした政策は時に強制的なものとなり、人々のセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツなどの人権を侵害する可能性があるからです。

つまり、人口の増加や減少そのものが問題なのではなく、市民の一人ひとりが現代社会で活躍できるような生活の質を提供することに焦点を当てる必要があります。さらに、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(生殖に関する健康・権利)と女性の身体について語らずに人口問題を語ることはできません。今後増加すると予測される10億人の生活の質の向上に向けて、すべての出産が意図されたものとなるよう家族計画サービスや質の高い妊産婦ケアサービス、そしてセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツに関する情報へのアクセスを保障する必要があります。

UNFPAでは、世界人口が80億人に達すると推定される11月15日を「80億人の日」として記念し、この日を通して人口動態の現状や私たちの社会が直面している課題について考えるきっかけとなるよう「#8BillionStrong」キャンペーンを行うなど、国際社会に呼びかける活動を行なっています。

参考資料:

80億人の世界:無限の可能性を持つ世界 事実と数値

 

 

2022年03月21日

 
2050年には、4人に1人が60歳以上の高齢人口となるアジア太平洋地域。そして、その半数以上は女性です。
 
高齢化社会では、女性は長期にわたって存在するジェンダー格差や所得格差により、男性に比べて不利な立場に置かれてしまいます。また高齢の女性は、子どもの頃に教育を受けられなかった人も多く、他者への経済的な依存が高まる傾向があります。
 
すべての女性と少女には、健康で豊かで幸せな人生を送る権利があります。そのためには、ジェンダー格差の解消、医療や教育へのアクセスの確保、人権に基づく家族計画の利用を促す取り組みが欠かせません。
 
人口高齢化そのものが脅威なのではありません。本当に問題なのは、私たちがこの急速な人口動態の変化に立ち向かう準備ができていないことです。
 
UNFPAは、女性が尊厳を持って歳を重ねられるよう、ジェンダー平等と人権に根ざしたライフサイクル・アプローチを提唱しています。
 
詳しくはこちら
__________
 
本動画は、2021年10月1日の国際高齢者の日に際し、#ライフサイクル・アプローチ の重要性を訴える啓発キャンペーン、#すべての世代のために の一環として作成されました。
 
このキャンペーンは外務省などの後援を受け実施しています。

 

2021年09月03日

【外務省 国際機関人事センター:JPO生の声シリーズ】

国連人口基金(UNFPA)インドネシア事務所で人道支援プログラム・アナリストとして勤務する内野恵美が、業務ややりがいについて語っています。

 

2021年04月14日

“私のからだは私のもの:からだの自己決定権を求めて
(My body is my own - claiming the right to autonomy and self-determination)”

 

2021年4月14日、UNFPAは「世界人口白書2021」を発表しました。

 

今年のテーマは、“からだの自己決定権(Bodily autonomy)”

 

「それはまるで、自分の体が自分のものではないような感覚でした」

世界中からのリアルな証言を集めた動画。

そこでは、「からだの自己決定権」が次のような形で侵害されている状況が伝えられています。
 

・レイプ

・処女検査

・強制不妊手術

・夫婦間レイプ

・名誉殺人

・教育とヘルスケアの放棄、など

 

「からだの自己決定権」の重要性を訴えかける映像をどうぞご覧ください。

 

【関連ページ】

・世界人口白書2021 報告書全文(英語)のダウンロードはこちら

・UNFPA事務局長による声明文はこちら

・プレスリリースはこちら

 

 

●「世界人口白書」とは?

 

UNFPAが1978年から毎年発表している旗艦報告書。世界の人口問題の進捗や潮流についてまとめるとともに、毎年テーマを選んで特定の問題を取り上げています。過去の「世界人口白書」の一覧はこちら

2020年06月23日

UNFPA(国連人口基金)は、性と生殖に関する健康を推進する国連機関です。わたしたちは、すべての妊娠が望まれ、すべての出産が安全に行われ、そして若者の可能性で満たされた世界にするために活動しています。

 

持続可能な開発目標(SDGs)実現のために、2030年までに、UNFPAはすべての男性、女性や若者を取り巻く世界を変えるための次の3つのZEROミッションを掲げています。

 

妊娠・出産による妊産婦の死亡をZEROに

- 家族計画サービスへのアクセスが満たされない状況をZERO

児童婚などの有害な慣習とジェンダーに基づく暴力をZEROに

 

またUNFPAは、2019年には以下のことを達成しました。

 

- 47,000人を超える妊産婦の死亡を防ぐこと

- 1400万を超える望まない妊娠を防ぐこと

- 20万人以上の少女を女性性器切除から救うこと

 

近親者からの暴力に怯える女性が一人もいないように

母親が命を落とすことのないように

予防可能な原因で子どもの命が失われないように

全ての人が家族計画へのアクセスができるように

 

UNFPAはこれからも積極的に支援活動に取り組みます。ぜひこの動画をご覧ください。

2020年04月02日

新型コロナウィルス(COVID-19)感染が世界的規模で広がっている今も、毎日、世界のどこかで新しい命が生まれています。

子どもを出産することは、平時においても容易なことではありません。そして現在のCOVID-19危機の中、妊産婦はさらなる不安とストレスの中で出産を迎えることになります。イランの助産師は、COVID-19危機の中、現場の最前線でお母さんと赤ちゃんのために奮闘しています。また、今年2020年は、国連が定めた「看護師と助産師の年」です。上記の動画から、彼女たちが必死に命を守るために取り組む姿をご覧ください。
 

医療システムの崩壊が危ぶまれている中で、出産をするお母さんや生まれてくる赤ちゃんへの支援は必要不可欠です。そのためにUNFPAは、イランのみならずアフリカやアジアの開発途上国を中心として、以下のような活動をしています。

●医療従事者が新型コロナウィルス(COVID-19)患者を安全に治療するために、また妊産婦の感染リスクを軽減するために必要な医薬品、衛生用品、個人用保護具(PPE)を提供しています。
●女性、特に妊産婦、若者や感染の影響を受けた地域の人々に対してセクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス・サービスを提供できるように医療システムの能力強化を支援しています。
●特に隔離されている妊産婦や授乳中の母親がヘルスケア及び精神的サポートを優先的に受けられるように活動しています。

より多くの人たちの命を助ける事ができるよう、ご支援をよろしくお願い致します。
UNFPAの本部サイトでは、一般の方からの寄付を受け付けています。英語のページですが、幾つかの情報を入力するだけで簡単に寄付をすることができます。以下に日本語の解説を掲載しますので、参考にしながら手続きをしてください。

皆様からのご支援をお待ちしています。どうぞよろしくお願いいたします。

【COVID-19関連ニュース】

新型コロナウイルス感染症が女性の健康にもたらす深刻な影響

2020年03月08日

医療従事者は、COVID-19を封じ込めるために重要な役割を果たしています。 
イランの公衆衛生危機の最前線で奮闘する女性医療従事者の勇気ある行動と苦悩、そして男女平等の役割について語る彼女たちの話に耳を傾けてください。 

イランにはCOVID-19と闘う現場の最前線にいるヒーロー、女性医療従事者たちがいます。
彼女たちはさまざまな犠牲を払い、未曾有の事態に立ち向かっています。
医療現場には、多くの女性が医師、看護師や医療のプロフェッショナルとして重要な役割を果たし、ウィルスに感染した人たちのため、そしてイランの国を守るために貢献しています。
長い闘いにも関わらず、彼女たちは自らとその家族の私生活を犠牲にしても、愛するイランのための努力を惜しみません。その原動力は、愛であると誇りを持って語っています。

UNFPA は、このように世界中の医療現場で人々の命を救い、ジェンダーの平等を実現しているヒーローを称えます。
(この動画は、3月8日の国際女性デーに際し、Generation Equality(ジェンダー平等世代)を祝福するために作成されました)

 

2019年12月06日

政情不安が続く南スーダンでは、日々、多くの女性がジェンダーに基づく暴力にさらされています。

リンクの動画は、女性たちがおかれている状況と、国連人口基金が行っている、ジェンダーに基づく暴力を受けた人たちへのサポートをご紹介します。

2019年12月04日

2019年11月12~14日、ケニアの首都で開催された国際人口開発会議(International Conference on Population and Development/カイロ会議)25周年ナイロビ・サミットの総集編です。

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