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2021122ハノイ新型コロナウイルス感染症(COVID-19の感染拡大によりベトナムへ帰国せざるをなくなった海外移住労働者若者たちを支援するため、若者主導34事業の関係者ら122日、ハノイで会合ました。リプロダクティブ・ヘルス(性生殖する健康)、生計向上スキル、再就職する活動結果などについて事業者らが経験を共有し、事業継続性拡大に向けて議論を交わしました。この会合は、ホーチミン共産党青年団が内務省、ゲアン省、ハティン省、クアンチ省の各省青年団、国連人口基金(UNFPA)ベトナム事務所と共催し、オンライン、オフライン形式のワークショップをハノイで実施しました。

 

新型コロナウイルス感染症の影響て帰国した海外移住労働者の若者への支援は、ゲアン省、ハティン省、クアンチ省の各省にあるホーチミン共産党青年団が運営し、日本政府が拠出するUNFPAのプロジェクト「社会的に脆弱な人々に対する新型コロナの負の影響の軽減ベトナムのSDGs達成に向けた国家発展のために」の一環で実施されています。

 

プロジェクトは、帰国余儀なくされた海外移住労働者若者たちにして啓発活動じて、リプロダクティブ・ヘルス、メンタル・ヘルス、ジェンダーに基づく暴力の予防について、関心を高め、知識を伝えることを目的としています。同時に、若者たちの再就職、キャリア・プランニング、専門家によるアドバイスやカウンセリングなども支援に含まれています。

 

会合では、プロジェクト実施から3か月目には顕著な成果が現れたとする報告がなされました。はじめにリプロダクティブ・ヘルス、メンタル・ヘルス、生計向上スキル、ジェンダーに基づく暴力、再就職ガイダンスに関する啓発活動と研修に必要な資材が用意され、100名のピア・エデュケーターとカウンセラーの育成研修に使用されました。最初に研修を受けた100名が、その後コミュニティ単位での研修開催を通じて、海外移住労働者の若者1,000名を含む1,450名の若者の研修に携わり、オンラインと対面でのカウンセリングを450名の若者に対して実施しました。ピア・エデュケーターとカウンセラーの研修用に10本の啓発用動画と3つのハンドブックが製作され、フリップチャートと共に研修で使用されました。また、ゲアン省、ハティン省、クアンチ省では、若者主導の34事業を通して、300名以上の海外移住労働者が帰国後に再就職を果たしました。

 

プロジェクトの成果を振り返るワークショップで、ホーチミン共産党青年団中央局のグエン・ファム・ドゥイ・チャン書記官は、新型コロナにより帰国を余儀なくされた海外移住労働者の若者たちを対象としたリプロダクティブ・ヘルス、ジェンダーに基づく暴力に関する啓発活動や再就職支援は、喫緊の問題を解決し、収入を得てニューノーマルの社会で生活を安定させるために意義があると強調しました。

 

「全階層の青年団とプロジェクト対象3省の若者たちは、それぞれのコミュニティでリプロダクティブ・ヘルスとジェンダーに基づく暴力について啓発するとともに、地域の若い労働者に対して職業訓練を支援する必要があります。若者は、先見の明をもって学び、プロジェクト活動実施の過程で技術を取り入れて、限りある資源を効果的、合理的、持続可能な方法で活用し、コミュニティの若者たちが後に続くよう刺激を与えることが望まれます」

 

グエン・ファム・ドゥイ・チャン書記官は、日本政府とUNFPAに対して、プロジェクト実施に関する支援とベトナム青年団への協力について感謝の意を表しました。

 

UNFPAベトナム事務所長の北原直美は、新型コロナによる課題がある中でも本ワークショップを実施した各青年団の取り組みを高く評価したうえで、「UNFPAの技術面、資金面の支援を活かして、対象3省の移住労働者の若者が必要な生計向上スキルを身に付け、包括的な健康教育や国内の労働市場への再適合を目的とした専門的なサポートを受けられたことを大変嬉しく思います。これらの成功例が、全国で再現されるよう期待しています」と述べました。

 

在ベトナム日本大使館の岡部大介公使は、「日本政府として今回のような若者主導のイニシアチブを支援できることを光栄に思います。私たちの支援は、持続可能な開発目標(SDGs)の基本である『誰一人取り残さない』を実現できるよう、ベトナムに対して行う政府の取り組みの一環です」と話しました。

 

UNFPAは、すべての妊娠が望まれ、すべての出産が安全に行われ、すべての若者の可能性が満たされる世界を目指して活動を行っています。

 

本文は当該プレスリリースを、駐日事務所にて独自に編集したものです。

 

問い合わせ先:

UNFPAベトナム事務所 

コミュニケーション・オフィサー

ディン・トゥ・フォン

dhuong@unfpa.org

 

若者・青少年センター

コミュニケーション・プロジェクトマネジメント部

ドアン・ティ・トゥイ

dthuy2595@gmail.com