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2020年4月22日ハラレ/東京:
新型コロナウイルス感染拡大の影響が深刻化しているジンバブエで妊産婦の命を守るため、日本政府は国連人口基金(UNFPA)を通じて「新型コロナのホットスポットにおける包括的な緊急産科・新生児ケアの強化プロジェクト」に130万米ドルを支援することを決定しました。

 

度重なる干ばつや慢性的な経済危機など複数の要因が重なり、人道危機に見舞われているジンバブエ。新型コロナウイルスの感染拡大は、すでに弱体化している同国の保健システムに負担をかけ、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の達成に向けた歩みを後退させています。特に、妊産婦の健康に関して甚大な影響が及んでおり、2019年時点ですでに出生10万あたり462であった妊産婦死亡がさらに上昇しているとみられています。

 

特に、ハラレとブラワヨの都市中心部では、妊産婦周産期の死亡率が著しく増加しています。これらの都市の総合病院では、搬送が遅れた患者をはじめ全国から重症患者受け入れていることや、医療関連物資の入手が困難になっていることなど、各施設で対応が困難な事態が発生していることが背景にあります。新型コロナの感染第一波では、緊急産科医療や新生児医療サービスを含む妊産婦へのヘルス・ケア大きく妨げられました。

 

日本政府は、新型コロナの影響を受けているジンバブエの妊産婦保健医療サービスの改善を図ることを目的とし、本プロジェクトの支援を決定しました。この支援は、ハラレとブラワヨにおける病院へのリファラルシステムの強化と、分娩補助医療の継続的な提供を確保することに焦点を当てています。

 

本支援には、産科の緊急事態に対処し感染症を予防・管理するための、個人用防護具(PPE)を含む医療機器や消耗品の調達、救急医療を強化するための救急車両の購入、産科の医療従事者を対象とした産科救急医療や妊娠中の新型コロナ感染への対処に関するトレーニングなどが含まれます。

 

「危機的な状況下で最も被害を受けるのは、多くの場合、女性や子どもです。日本は、ジンバブエで母子保健サービスが重要度の高いものとして認識され、母親や新生児が必要なケアを受けられるよう、支援を決定しました」と、在ジンバブエ日本大使館の田中聡志大使は話しています。

 

UNFPAジンバブエ事務所代表のエスター・ムイアは、「このプロジェクトは、妊産婦や周産期の女性への治療効果における課題を解決し、ハラレとブラワヨの医療システムのレジリエンス(強靭性)を高め、ジンバブエが新型コロナの影響に力強く立ち向えるようになることを目指しています」と述べています。「これにより、中央病院や産科総合病院の能力が強化され、効果的かつ効率的に包括的な産科・新生児ケアを提供することが可能になり、未然に防ぐことのできる妊産婦・周産期死亡を回避することができます。日本の寛大な支援に心より感謝するとともに、女性、子ども、家族全体の生活の改善に向けたさらなる連携を願っています」

 

ブラワヨとハラレにおける年間の分娩数は、それぞれ15,000件と45,000件と推計されています。このうち、約9,000人(15%)の女性が産科合併症を患い、産科救急医療サービスを必要としています。本プロジェクトでは、妊産婦の命を守るために必要不可欠なサービスを、約60,000人の女性に提供します。

 

【問い合わせ先】

在ジンバブエ日本国大使館

経済協力アシスタント

Oliver Wales-Smith

電話:+263 774 185 930

メール:oliver.joshua.wales-smith@hz.mofa.go.jp

 

UNFPAジンバブエ事務所

コミュニケーションアナリスト

Bertha Shoko

電話:+263 772 782 299

メールshoko@unfoa.org