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メディアでつながる国際女性デー     自分らしさを大切にできる社会を目指して

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メディアでつながる国際女性デー     自分らしさを大切にできる社会を目指して

calendar_today 2026年 04月 06日

左から、新美アナウンサー、篠原アナウンサー、成田詠子所長
左から、新美アナウンサー、篠原アナウンサー、成田所長

◆「自分らしく生きる権利、世界の女性や少女にも」(成田所長)

国際女性デー(3月8日)に合わせ、UNFPA駐日事務所では、在京民放テレビで活躍するアナウンサー2人とUNFPA駐日事務所の成田詠子所長による特別トーク企画「#私らしく」を行いました。参加したのは、TBSテレビの篠原梨菜アナウンサー、フジテレビの新美有加アナウンサー。結婚や出産、キャリア、そして「自分らしく生きる権利」について、世代も立場も異なる3人が率直に語り合いました。

NHKと在京民放各局は毎年、国際女性デーに合わせてメディア連携キャンペーンを実施、これにUNFPA駐日事務所が賛同しています。成田は「自分らしく生きる権利はすべての人に保障されるべきもの。しかし世界には、その権利が守られていない女性や少女がまだ多くいます」と述べ、UNFPAが掲げる「ウェルビーイングの実現」と「人権の尊重」が今回の賛同の背景にあると説明しました。

成田は、UNFPAの活動について「性と生殖に関する健康と権利(SRHR)」を扱う国連機関であり、「すべての妊娠が望まれ、すべての出産が安全に行われ、すべての若者の可能性が満たされる世界」を目指していると説明。「国連というと身近なものに感じられないかもしれないが、日本で暮らす私たちにも密接な関係がある課題も多い」と伝えました。 

成田詠子・UNFPA駐日事務所所長
UNFPA駐日事務所所長 成田詠子

◆「児童婚」の背景にある貧困

数あるUNFPAの取り組み課題の中で、今回は根強く残る「児童婚」をとりあげました。篠原さんは学生時代に東南アジアを訪れた時に聞いたこととして、「日本では当事者意識を持ちにくいが、国際的な取り組みが必要だ」と述べました。新美さんは「日本では人権教育の土壌が弱く、他国の問題として距離を置いてしまいがち」と指摘しました。

成田は、バングラデシュやイエメンでの経験を紹介し、「児童婚をつくりあげたのは貧困。親は『子どもの幸せのため』と信じて手放してしまうこともある。いくら法律ができても、貧困をなくさなければ慣習はなくならない」と語りました。また、結婚の強制が家庭内暴力などにつながるケースもあると説明し、「大事なのはその子の権利が守られているかどうか。それは10代でも30代でも同じことだ」と強調しました。

篠原さんは、「背景が貧困であるなら、その国だけで解決することは難しい。日本としてはこの問題にどのようなことができるのか」を問いました。成田は、日本が政府の途上国援助(ODA)や「民間企業との連携」などでUNFPAの活動を支援し、児童結婚を減らすための農村部での啓発活動や、女性が自立できるような職業訓練などに取り組んでいる、と説明しました。

TBSの篠原梨菜アナウンサー
TBSテレビの篠原梨菜アナウンサー

◆「他国での取り組み、日本の意識向上につながる」(新美さん)

また、新美さんからは、「他国の支援をする前に日本の課題に取り組むべきではないか、といった声もあるが、どう受け止めるか」と成田に尋ねました。成田は「日本も外国も、同時に並行して行っていくことが重要。日本と世界はつながっている。日本だけをよくすれば自分の幸せを守ることができるかというと、そうではない」と答えました。

篠原さんは「日本で起きたタイの少女の売春・買春事件のように、日本が当事者になることもある。国際的に権利が守られていないという状況は、私たちにも責任があり、また脅威にもなるという認識を持たなければならない」と語りました。新美さんも「他国の課題への取り組みに支援をすることは、私たち自身の意識の向上にもつながるということを強調したい」と述べました。

フジテレビの新美有加アナウンサー
フジテレビの新美有加アナウンサー

議論は日本社会の状況についても向けられました。篠原さんは「人権を大事にしようという言葉が、あまり響かないということを日々感じている。例えば女性のためのキャンペーンをしても、その動画の再生回数があまり上がらなかったりする。資本主義社会の中で、女性が働きやすいようにするのは有益だという言い方だと賛同してもらえるが、それが人権である、とすると響かなくなる。自分も相手も大事にするという当たり前のことが難しいと感じる」と述べました。これについて新美さんは、「基礎教育の段階で、人権について身近に考えるきっかけが少なかったように思う。同質性の高い日本にいると、なかなか多様性や人権という意識が薄いのではないか」と指摘しました。

 

◆「自己決定権を尊重する社会をどう作るかがメディアの課題」(篠原さん)

さらに、ジェンダーや家族観に関する日本の課題にも話が及びました。新美さんは「自分も周りも、子どもを産むことが当たり前だという意識を感じる。実際、30歳で子どもがいないと不妊治療をしているのかと聞かれる」と語り、社会に残る「見えない圧力」を指摘しました。篠原さんは「自己決定権を尊重する社会をどう作るかがメディアの課題」と述べました。

これに対し成田は、「子どもだろうと大人だろうと、女性だろうと男性だろうと、あるいは途上国であろうと先進国であろうと、自分のからだは自分のものであり、自分で決めることができるということは人間の大切な、基本的な権利だ」というSRHRの基本を改めて強調しました。

また、UNFPAが現在、18〜39歳を対象に家族観や出産意向に関する国際調査を日本を含む70カ国で実施していることを紹介し、「日本でも若い世代の声を政策に反映させることが重要」と強調しました。この調査の結果は今年6月ごろまでにはまとまり、発表される見込みで、成田は「ぜひ注目していただきたい」と述べました。

トークの様子

【参加者紹介(敬称略)】

篠原梨菜

TBSテレビアナウンサー。THE TIME, 早朝グルメ/JNNニュース/報道1930/陸上・競馬実況などを担当。YouTubeチャンネル「CROSS DIG」 のMC。取り残されていると感じる人に寄り添うアナウンサーを目指す。

 

新美有加

フジテレビアナウンサー。情報プレゼンター とくダネ!/めざましどようび/週刊フジテレビ批評/プライムニュースなどを担当。現在はサステナビリティ経営推進部を兼務し、「人権」「人的資本」などのプロジェクトの事務局としても活躍中。