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「国際女性器切除(FGM)根絶の日」に寄せて  より早急なFGM根絶を訴える

 

2月6日、「国際女性性器切除(FGM)根絶の日」に際して、ユニセフ事務局長アンソニー・レークと国連人口基金事務局長ババトゥンデ・オショティメインは以下の共同声明を発表しました。

FGMは、少女の体に修復不可能な損傷を与え、耐え難い痛みを与えます。そして、深刻な精神的なトラウマを負うことにもなり、それは生涯にわたって癒されないこともあります。

また、妊娠期や、出産時において、命に係わる合併症を引き起こすリスクを高め、母親と子どもを危険に晒します。
FGMは、少女から自立を奪い、彼女たちの人権を侵害するものです。

少女や女性の地位の低さを反映し、ジェンダーによる不平等や、世代を超えた差別や阻害の連鎖を助長するもの。
それが、FGMです。この暴力的な行為の根絶のために私達はあらゆる手段を尽くしてきましたが、一方で、今年だけでも何百万人の少女が強制的にFGMの被害を受けることになります。その多くは、15歳未満の少女です。悲しいことに、世界にはすでに、2億人の少女や女性が、この行為によって引き起こされた損傷を抱えて生きており、彼女たちの住む地域コミュニティにも影響が出ています。

2015年、持続可能な開発目標(SDGs)は、FGMとジェンダーによる不平等および開発には密接な関係があることを認識し、2030年までにFGMを根絶するためのグローバルな活動を改めて呼びかけました。

2016年には、ユニセフと国連人口基金がFGMを根絶するための活動を共同で行っている2,900以上のコミュニティで、そこに暮らす840万人以上がこの慣習をやめることを宣言しました。

今年、私たちはこうした前進を積み重ねるために、さらに迅速な行動を呼びかけます。それはつまり、各国政府に対して、少女と女性の権利を保護しFGMを防止する法律を制定し政策を執行することを求めていくことです。

また、FGMを受ける危険のある女性や受けざるを得なかった女性たちが、支援をより受やすくすることです。さらに、FGMが引き起こす害や根絶することで得られる恩恵について家庭やコミュニティに周知し、そうした支援のニーズを呼び起こすことも含みます。

そして最終的には、家族や地域コミュニティが自ら行動を起こし、少女に対するFGMという暴力を拒否することです。

私達の世代で、FGMを完全に根絶しましょう。そして、すべての人々により健康でより良い世界を創っていきましょう。

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ユニセフ事務局長と国連人口基金事務局長の共同声明(原文)はこちら