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社会的に弱い立場に置かれているウガンダの少女たちに、より良い未来を:

花王株式会社と国連人口基金(UNFPA)がパートナーシップ契約を締結

 

花王株式会社と国連人口基金(UNFPA)ウガンダ事務所は2月1日、ウガンダ共和国における女性たちの清潔で衛生的な生活の実現を目指し、パートナーシップ契約を締結しました。「ウガンダ月経衛生環境向上プロジェクト」と名付けられたこの共同プロジェクトは、月経のために学校を休まざるを得ない少女たちをゼロにすることを目指します。

 

ウガンダ西部のチルフラ地区にあるカニャレリュ子ども支援センターを訪れ、

試作品の生理用ナプキンの製品テストを行うエコスマートの開発者たち。

センターの少女たちから、試作品を使用したフィードバックを聞きながら、初経教育を行いました。

 

花王株式会社は、世界の人々の喜びと満足のある豊かな生活文化を実現するとともに、社会のサステナビリティ(持続可能性)に貢献することを使命とする事業会社です。一般消費者向けの「化粧品」「スキンケア・ヘアケア」「ヒューマンヘルスケア」「ファブリック&ホームケア」の4つの事業分野に加え、「ケミカル」事業も展開しています。

 

このパートナーシップを通じて花王は、低所得家庭や難民キャンプで暮らす女性や少女たちを対象に、手頃な価格で購入でき環境にもやさしい生理用ナプキンを生産するウガンダのスタートアップ企業EcoSmart Pads, Ltd.(エコスマート)を支援します。2017年、UNFPAが立ち上げたイノベーション・イニシアチブ、Up Accelerateによって生まれたエコスマートの生理用ナプキンは、地元で入手できるサトウキビの繊維から作られているため、地方に住む低所得の女性や少女たちにとって購入しやすいものとなっています。また、サトウキビの残基から出来たナプキンの吸収部は、生分解性があり、快適に使用することができます。 加えて、エコスマートは、「少女たちには、成長過程で起こる自分の体の変化を恥ずかしがったり、学校へ行けなくなったりしてほしくない」と、初経教育を積極的に行なっています。

 

エコスマートによると、一人分の生理用ナプキンの値段が、最低賃金月収の半分にもなるウガンダでは、貧困に悩む大勢の少女たちが生理用品を買うことが出来ません。その結果、女性や少女たちは、バナナの皮や葉、汚れた布、古い新聞紙などを代用品として使用するため、重度の感染症を引き起こすこともあります。

 

「(ウガンダの)学校では、少女たちが月経を理由に授業に来られないという現実に驚かされます」と、エコスマートの共同創業者であるリディア・アシームウェは話します。月経に関する正しい情報や物資が学校や地域で入手できないため、少女たちは、衣服を汚してしまい、学校での嫌がらせやいじめ、差別の対象になってしまうことも多いとリディアは説明します。

 

ウガンダでは、これまでに全国レベルでの初経教育に関する調査は行われたことはありませんが、オランダ開発機構(SNV)とIRC国際水衛生センターの調査報告書によると、ウガンダの7地域(アルア、アジュマニ、ブンディブジョ、カセセ、チェンジョジョ、リラ、ソロティ)で小学校に通う少女たちの半数は、1カ月に1~3日、月経が理由で学校を欠席するという統計があります。つまり、1年間では24日間分になり、年間平均220日間の出席日数に対し、少女たちは月経のために11%授業を休む計算になります。

 

同調査報告書は、70パーセント以上の少女たちが、月経が自分の学力に影響を与えていることを実感している現状を浮き彫りにしました。また小学校高学年では、月経のために学校を欠席する少女が57パーセントにものぼるという事実も明らかになりました。このような少女たちは、授業についていけず、学校を退学することも少なくありません。さらには、十代の妊娠や児童婚の可能性が高くなり、彼女たちの経済的自立を妨げています。

 

若いイノベーターによる初経教育と社会変革への希望:

エコスマートの製品開発は、Up Accelerateプログラムの終了とともに中断していました。若いイノベーターたちは継続への熱い思いがあったにもかかわらず、資金不足により会社の経営が停滞していたためです。しかし、花王からの資金提供により、エコスマートは市場に出荷できるレベルの生理用品の開発を再開することができます。

 

UNFPAウガンダ事務所長のアラン・シベナラーは、今回のパートナーシップにとても期待を寄せ、「UNFPAは少女や女性たちの権利を守るため、政策づくりから実行まで総合的なプログラムをパッケージで提供しています。花王が、少女たちにソーシャル・イノベーションもたらす事業のひとつである適切な月経衛生環境の向上を支援してくれるのはとても心強い」と述べています。

 

花王ESG部門統括のDave Muenz(デイブ・マンツ)氏は、「急速な発展が見込まれるアフリカにて、今後を担う人々のより衛生的で快適な生活に貢献できることは大変意義のあることだと考えています。この活動を通じ、少しでも多くの若者の可能性が広がることを期待しています」と語りました。

 

「このプロジェクトの成功は、地方に住む少女たちも手頃な価格で購入できる生理用品を、市場に提供するだけでなく、男女平等の社会の形成と、少女たちの教育機関への参加のチャンスを広げ、女性たちの経済力の向上と社会進出の拡大を助けられる」とリディアは期待しています。

エコスマートの最終目標は、ウガンダのすべての少女たちに尊厳、平等、そして活力をもたらすことです。

 

この事業については、NHKでも取り上げられています。

テレビ

  • NHK  おはよう日本 「ウガンダ “誰もが買える生理用品を”ウガンダ人起業家の挑戦」2019/8/11放映
  • NHK BS1    国際報道2019「ウガンダ “誰もが買える生理用品を”ウガンダ人起業家の挑戦」 2019/10/7, 11/12放映
  • NHK World-Japan World-Japan NEWS "A Sanitary Solution for Ugandan Schoolgirls" 2019/11/5放映
  • NHK World-Japan 华语视 (中国語)  女大学生研生理用品帮助非洲女孩改命运(女子大学生が生理用品を研究開発、アフリカ女性の運命を変えるのを助ける)2019/12/5放映

NHKウェブサイト

  • NHK World-Japan  World-Japan NEWS "A Sanitary Solution for Ugandan Schoolgirls"
  • NHK World-Japan 华语视 (中国語)  女大学生研生理用品帮助非洲女孩改命运 (女子大学生が生理用品を研究開発、アフリカ女性の運命を変えるのを助ける)

NHKラジオ

 

 

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関連情報:

花王株式会社 ニュースリリースはこちら

EcoSmart Pads, Ltd.(エコスマート)ウェブサイト(英語)はこちら