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共同声明

 

1125日『女性に対する暴力撤廃の国際デー』に寄せて

国連人口基金等4国連機関が共同声明

 

11月25日の「女性に対する暴力撤廃の国際デー」に向けて、国連人口基金(UNFPA)事務局長、UNDP総裁、ユニセフ(国連児童基金)事務局長、UN Women(国連女性機関)事務局長は以下の共同声明を発表しました。

 

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11月25日の「女性に対する暴力撤廃の国際デー」を迎えるにあたり、国連事務総長による「UNiTE to End Violence against Women(団結しよう。女性への暴力を終わらせるために)」キャンペーンは、暴力の被害を受けた人々、その支援者、および女性や少女に対する暴力の予防・撤廃のために活動する人々と団結して立ち上がるよう私たちに呼びかけています。私たちは、連帯するだけではなく、女性と少女の命と健康に有害な影響を与える、防ぐことのできる地球規模の悲劇を撤廃するための解決策を見つける努力を強化する義務があります。

 

昨年は、女性と少女を苦しめる様々な暴力の形態の広がりと重要性に関する意識が高まったという意味で、特別な年でした。近年としては最も拡散した強力な社会運動のひとつとなった#MeTooキャンペーンが、この問題にスポットライトを当てました。2018年のノーベル平和賞が、紛争状態における女性に対する暴力を終わらせるために尽力している素晴らしい2人の活動家、ナディア・ムラド氏とデニ・ムクウェゲ氏に贈られたことで、この問題に対する意識はさらに高まりました。

 

世界の女性の3分の1以上が、生涯の中で身体的または性的暴力の被害を受けています。さらに、女性に対する暴力に係る損失は、年間で世界のGDPの2%近く、1.5兆米ドル相当に上るとする調査もあります。

 

政府、民間セクター、芸術分野、市民社会団体、学識者、そして関心のある一般市民は、この地球規模の悲劇に早急に対処するために、啓発活動以外にも新しい方策を模索しています。

 

国連女性に対する暴力撤廃の信託基金(UN Trust Fund to End Violence against Women)は、過去20年間以上、政策的な誓約を具体的に女性と少女の利益となるものにするための、国レベルおよび並びに地域レベルのイニシアティブに投資し、長期的に暴力の予防に貢献してきました。

 

女性と少女に対する暴力を撤廃するための、国連と欧州連合(EU)の間の世界的な複数年にわたるパートナーシップである“スポットライト・イニシアティブ”の一環として、私たちはいくつものパートナー団体と協力しながら、支援の範囲を広げ、支援のレベルを高めていこうとしています。私たちは、女性に対する暴力を削減し予防するということは、社会を変えることだと捉えています。それは、女性と子どもの健康を改善し、HIV/エイズや性感染症に罹るリスクを減少させ、経済的な生産性や教育の達成状況を改善し、そして精神疾患や薬物乱用のリスクを減らすなど、多くの効果があるのです。

 

 “スポットライト・イニシアティブ”を通して、私たち4機関は、暴力の根本原因とその直接的な影響の両方の問題に対処するために、多くのステークホルダーの力を結集しています。「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に沿ったこのイニシアティブは、「誰一人取り残さない-leave no one behind」とするその理念と完全に一致するものです。“スポットライト・イニシアティブ”はまた、既存の成功例や実証されたプログラムを元に、より速く結果を出すための新しい解決方法に取り込んでいきます。

 

国連ファミリーは、パートナー団体と協力して、法的枠組みおよび法的機関を強化し、暴力の被害を受けた人々に対するサービスを改善し、社会規範や行動様式に立ち向かい、より広い範囲でジェンダー格差に対処しながら、暴力の根本原因に取り組んでいます。

 

女性と少女に対する暴力撤廃は、短期間で成し遂げられることではありません。私たち全員が協調し持続的な努力を行うことが必要とされています。私たちが行っているこのような努力の結果を示すことが、暴力の被害を受けた人々、その支援者、そして女性の人権擁護に取り組む活動家に対して最も貢献できることだと考えます。

 

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日本ユニセフ協会訳を元に国連人口基金東京事務所が改訂)

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