現在地

ブルキナファソ:
 

2020年3月より、国連人口基金(UNFPA)ブルキナファソ事務所は、日本の国際協力NGOジョイセフブルキナファソ家庭福祉協会(ABBEF、シカ・カボレ ブルキナファソ大統領夫人が代表を務めるKIMI財団と連携し、「若者の性と生殖に関する健康・権利の強化支援プロジェクト」を実施しています。

 

UNFPAが推進する、性と生殖に関する分野における、個人およびコミュニティの人権を保障するための戦略的パートナーシップの一例である本プロジェクトは、ブルキナファソ政府、日本政府、両国の開発パートナーとの多国間協力事業として、日本政府の支援を受けて進められています。

 

若者の性と生殖に関する健康・権利(リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)に関して、いまだ多くの課題を抱えるブルキナファソ。特に、女性器切除(FGM)、身体的・言語的暴力、児童婚や強制結婚、強姦や女性の社会的排除など、さまざまな形の暴力や、社会文化的背景、思春期や若者の性に対するネガティブな認識、暴力の受容や女性の権利に関する一般的な知識の欠如などの問題が、今もなおブルキナファソの女性と少女を苦しめています。ブルキナファソ政府は、こうした課題の解決にも焦点を当て、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた取り組みを進めています。

 

プロジェクト開始から2年目を迎えた3月には、中央州及び中央西部州のプロジェクト対象地域において、コミュニケーション戦略構築のためのファシリテーター育成研修が行われました。スキル強化を目的として、プロジェクトのカウンターパートである州及び郡の健康教育担当職員6名を対象に開催された6日間の研修は、すでにトレーニングを受けたKIMI財団とABBEFの6名のマスターファシリテーターにより提供され、フランス語版コミュニケーション戦略構築のための遠隔での技術移転モジュールが活用されました。

 

活発な意見交換を通じて理解を深める参加者 | © UNFPA Burkina Faso
活発な意見交換を通じて理解を深める参加者 | © UNFPA Burkina Faso

 

対話型の手法を用いたこの研修は、プレゼンテーション、グループワークや個人ワーク、実践的な演習などを通じて、性と生殖に関する健康・権利、子宮頸がん検診、健康管理、女性器切除(FGM)の合併症、HIV/エイズなどに関するプロジェクトの実施戦略への参加者の理解を深めました。また、UNFPAガボン事務所のスタッフが参加し、ガボンにおいて展開されている同じスキームの事業からの経験を共有し、学び合いの機会となるようサポートするほか、ジョイセフは、日々の成果物へのコメントやアドバイスを通じて遠隔で研修を支援しました。

 

人, 屋内, 男, 持つ が含まれている画像自動的に生成された説明
グループワークに取り組む参加者 | © UNFPA Burkina Faso

 

さらに、研修中にシカ・カボレ ブルキナファソ大統領夫人が訪問し、新しく得た知識とスキルを活用しプロジェクトを成功に導いて欲しいと期待を語り、参加者を激励しました。

 

4月からは、プロジェクト対象地域の若者、教師を含むサポーターによるコミュニケーション戦略を策定するワークショップが、各地で開催されています。この戦略は、それぞれの地域で、どのような活動を通じて、どこで、誰が、誰を対象に、行動変容につながるメッセージを届けていくかというコミュニティ活動の根幹となる戦略で、住民の代表が主体となり策定するという点からも、プロジェクトの進展に欠かせないプロセスとなります。

 

UNFPAはパートナー団体との連携を一層強化し、ブルキナファソの若者の性と生殖に関する健康・権利を守るため、本プロジェクトを通じて活動を続けます。